中畑清氏 奮起してもらいたいDeNA先発投手と牧、佐野、宮崎の打線の中軸

2024年10月29日 05:30

野球

中畑清氏 奮起してもらいたいDeNA先発投手と牧、佐野、宮崎の打線の中軸
中畑清氏 Photo By スポニチ
 【キヨシスタイル!】2試合を終えた日本シリーズ。敵地横浜で連勝したソフトバンクのチームバランスの良さが際立っている。
 DHが使えないセ・リーグ本拠地で開幕。右足首に不安が残る首位打者の近藤は無理をさせず、代打に回してさ。第2戦では6―2で迎えた7回2死一、二塁、2番手として尾形をマウンドに送り込んだのには驚いたな。

 シリーズの流れを変えかねない場面。今季12試合、プロ7年間で42試合しか登板していない右腕はいきなり牧に左越え二塁打を打たれた。1点を返され、なお二、三塁。それでも表情一つ変えない。続く筒香を力のある150キロ台の真っすぐで追い込んでさ。最後はスライダーで完全にタイミングを外し、当てただけの遊ゴロに仕留めた。

 現状の力や調子を見極めて大事な局面でマウンドに送り出すベンチ。その信頼に応える投手。ホークスにはこんな選手がゴロゴロしているイメージがある。層の厚さを感じるんだよね。

 でも、この2試合、DeNAも一方的にやられたわけじゃない。第1戦は0―5、第2戦は0―6から3点ずつ返してさ。最後まで諦めない野球はできている。

 梶原、森敬といった若手が頑張っているし、桑原も初球から打っていく積極的な姿勢を見せている。戸柱は第1戦で周東が走るのを完全に読み切って二盗を阻止したし、中川颯、伊勢、佐々木、山崎といったリリーフ陣は完璧に抑えている。

 奮起してもらいたいのは先発投手と牧、佐野、宮崎といった中軸。先発は先に点を与えないよう踏ん張る。第1戦の自打球で足を痛めたオースティンが出られるかどうか分からないけど、実績のある3人が機能しないと勝ち試合はつくれない。

 3位からの下克上なんだから、失うものはないはずだ。変に「セ・リーグの代表として…」なんて思わず、開き直って自分たちの野球を思い切りやってほしい。

 いくら日本シリーズ14連勝中の相手といっても、自分たちが負けたのは2つだけ。あとの12敗は他のチームだから気にすることはない。一つ勝てば流れは変わる。福岡でなんとか2勝して横浜に戻ってもらいたいな。(スポニチ本紙評論家・中畑 清)

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