成瀬國晴選 タイガース川柳大賞
タイガース川柳2020(7月第2週 週間賞)
2020年07月14日 08:00
野球
(三重県伊賀市・平井 哲夫)
<佳作>
静寂を 切りさくボーア ホームラン
(富山県富山市・石黒 義朗)
四割の 四番が崩す 防御率
(京都府京都市・池上 博)
ヤラれたら オレがヤルんだ 近本打
(千葉県松戸市・堀 卓)
twoホーマー 離れて躍る 雨合羽
(兵庫県猪名川町・藤田 恵子)
【講評】選考委員長・成瀬國晴(イラストレーター)
いよいよ甲子園に帰ってきて、さあ巨人3連戦だと思ったら7日、8日は雨だった。
9日、やっとの甲子園開幕戦は、巨人・メルセデス、阪神・ガルシア両投手の投げ合いで、6回まで0―0だったが、7回裏、4番・大山選手の安打に続きボーア選手が無死一塁から決勝の3号2ランを放った。無観客の右中間席へ大きな放物線を描き、着弾した。石黒義朗さんは、声援のないことを「静寂を切りさく」と、鋭い表現を使い入選した。
10日からは甲子園球場に、待ちに待った観客が入ったDeNA戦だった。初回、梶谷選手がいきなり青柳投手からソロを打ったが、その裏、近本選手が4945人を喜ばすソロを打ち返した。堀卓さんは、ここを詠んで入選した。
ここ3試合に4番を打っている大山選手も1点を追加した後、3号ソロを打ち、この3点が5回降雨コールドゲームで青柳投手に初完投での2勝目をプレゼントした。平井哲夫さんは応援と雨が4連勝の原因というが、応援が選手の後押しをしたのは確かだ。
12日のDeNA戦は、打率4割の大山選手がセ・リーグ防御率1位の平良投手から勝利打点を含む2打点。池上さんの「崩す防御率」でこの試合が十分分かる。
ソーシャルディスタンスのなかで、雨中の応援も試合が佳境に入るとつい躍り出す人も多く見えた。それが、初回に2ホーマーが続くと藤田さんが見付けた雨合羽の句となる。
首位まで4ゲーム差。きょうから、その首位のはしごを揺らしにいこう。
▽応募方法 〒530―8278 スポーツニッポン新聞社報道部「タイガース川柳」係。メールの場合はyakyuu-o@sponichi.co.jp、ファクスの場合は(電)06(6346)8574まで。〒住所、氏名、年齢を記入のこと。次回は19日必着。掲載は21日。予備日の20日に試合があった場合は、その試合に関する投句は翌週扱いになります。