天心父・弘幸氏「やるかやらないかあいつ次第」　“男の約束”守った愛息へがエール

2024年01月24日 04:45

格闘技

天心父・弘幸氏「やるかやらないかあいつ次第」　“男の約束”守った愛息へがエール — TKO勝ちを収めた那須川（左）と抱き合う父・弘幸さん（撮影・北條　貴史） Photo By スポニチ

【54・8キロ契約　8回戦 ○那須川天心《3回終了TKO》ルイス・ロブレス● （ 2024年1月23日エディオンアリーナ大阪）】「次は絶対倒すから」。天心と“男の約束”を交わしていた「TEPPEN GYM」会長の父・那須川弘幸氏は意外な結末となったものの、愛息と抱き合って勝利を喜んだ。

　転向後最初に交わした約束は昨年9月のルイス・グスマン（メキシコ）戦前だった。「KOする」と語った天心だったが2戦連続判定勝利に終わり、試合後リングサイドで中指を立てる弘幸氏の姿が映像に映った。「まさか（カメラに）抜かれるとは…反省した」と頭をかきながら「男と男の約束を破ったあいつに対してふざけるな、という意味で取った行動。怒り半分でやった」ことを振り返る。

　過去2戦は天心を直接指導する機会も多かったが昨年6月、大阪市内に「TEPPEN　GYM大阪」をオープンした関係もあり、今回の試合前は天心の練習を見ることはほとんどなかったという。天心から送られるスパーリング映像を見てLINEでアドバイスをする程度だった。20日に大阪入りし、同ジムで最終調整した天心を見て不安は解消された。「無駄な動きがなくなっていて確実に成長していた。今回はいけるんじゃないか」と語った父の予言は的中した。

　キック42戦42勝（28KO）と圧倒的な戦績を誇った天心。幼少期からマンツーマンで指導してきた弘幸氏だが、キック時代に約1年半、天心と“絶縁状態”にあったことを明かす。「昔はバタバタ倒せていたからね。調子に乗っていたんだと思う」と横柄な態度を取った天心を突き放した。「武尊戦（22年6月）の“THE　MATCH”は俺が教えないと勝てないと思ったから教えたけど、そうじゃなかったら多分負けていたな。自分一人の力でできているわけじゃないということを分からせたかった」と謙虚な姿勢で格闘技に取り組むことの大切さを説いてきた。

　天心を指導する帝拳ジムにも感謝を忘れない。「帝拳ジムの本田会長、トレーナーの方々に大事に大事に育てていただいている。本当に感謝している。世界ランカーに勝つということは今後、世界のベルトを獲る上で大きな意味を持つと思う。これからやるかやらないかはあいつ次第だね」。無限の可能性を示した愛息の未来に期待を寄せた。