丸亀じゃんご(2)1年で最も忙しい3カ月が始まった「M-1は大好き!だけどうっとうしい(笑)」

2024年08月12日 13:01

芸能

丸亀じゃんご(2)1年で最も忙しい3カ月が始まった「M-1は大好き!だけどうっとうしい(笑)」
丸亀じゃんごの北村敏輝(左)と安場泰介 Photo By スポニチ
 進学校から有名大学へ行った2人。それでも芸人を目指した理由とは?悲願のM-1タイトルへの思いも語った。
【丸亀じゃんごインタビュー(2)】

◆こう見えて!?実は高学歴コンビ◆

 ―お2人は高校の同級生。進学校を出られて安場さんが大阪大学、北村さんが関西大学。高学歴の芸人さんも少なくはない時代ですが、やはり、芸人になろうと思われた動機は聞きたいです。

 安場「ぼくは大学か芸人か、迷ったんです。でも大学生になるという経験はしたいのと、芸人なられへんかったら先生になりたいと思ってたんで、教員免許取りたいから、ということで大学に行ったんです。大学出るときに、それでもまだ芸人やりたかったらやらせて、と親に話していました。北村はそれに巻き込まれた感じで」

 北村「ぼくは芸人なんてやれると思っていなかったんです。たまたま文化祭で元々お笑い好きの友達と一緒に漫才をした、プレーをしたというだけで。そこで楽しさは見つけたんですけどね」

 ―大きくお笑いに傾倒していくきっかけは何なのでしょうか?

 北村「安場と高3のときに同じクラスになったので、卒業記念DVDをつくったんです。その特典として2人で漫才したんですが、それがほんま楽しくて。これを仕事にできたら最高やなって思ったのが大きなきっかけになりました」

 ―その体験が今につながった?

 北村「大学の卒業旅行のタイミングでも、みんなの前で2人でやったんです。それも楽しかったですねー。感覚的には今の3、4割くらいはできてたんちゃうかな。だから安場とやった2回の経験が今につながっていると言っても過言じゃないですね」

 ―安場さんは北村さんとのコンビについて、どのような印象を持たれてたんですか?

 安場「実は文化祭の時から、北村はコイツとやっててもうまいこといかんやろな、と偉思ってたんですよ。だから初めて組んだとき、やっぱり一緒にやるとおもしろいな、と思いましたね」

 ―では完全に相思相愛ですね。

 「(笑い)大学時代は遊びでネタを書いてたんですが、ハズいですけど、コンビも組んでないのにぼくがボケで北村がツッコミというイメージで書いてたんです。ぼく、他の人とのネタ書けって言われたらめっちゃムズいですもん。それは、どこのコンビもそうかもしれないですけどね」

 ―まだ組む前からイメージしていたというのはなかなか聞かない話ですね。

 安場「まあ確信的に北村、というわけではないですけどね(笑い)。なんとなくそうだったかな、という感じです(笑い)」

 ―安場さんはご両親にある程度宣言されていたとは思うのですが、北村さんは芸人への進路について、ご家族はどういう反応でしたか?

 北村「ああ、それはもう反対されましたね。数年間は」

 安場「そやったん」

 北村「しばらくは縁も切れてるような状況やったな。まあ、今は何とか応援してもらえるようになりました」

 ―北村さんは安場さんをきっかけに進路を切り替えられたと思うのですが、安場さんは迷いはなかった?

 安場「うーん、もし北村がやっぱりおれ、やめとくって言ってたら、ひとりで入る勇気があったかどうか怪しいですね。自分だけで飛び込んで相方を探していたかどうかは想像できないかもですね。北村の決断がなかったら芸人になっていなかった可能性も全然あります。実はめちゃくちゃビビりなんです」

◆準々決勝止まりのM-1 ネタ選び「センスなさすぎた」◆

 ―現在は11年目。M-1も1回戦が始まりました。毎回大変な思いでネタを作られているとは思うんですが。

 安場「M-1はめっちゃ好きやけど、ほんまにうっとうしいですね」

 ―(笑い)

 安場「どのネタやる?ああでもない、こうでもない、何回戦で何やる?2分しかない、これ2分にはならんよなー。5分やらせてくれよ!と、頭の中グチャグチャです。まあ楽しいんですけど、この時期来たなーという感じですね」

 ―出場芸人さんの編集作業は大変だとお察します(笑い)。ただ、丸亀さんはネタ数も多いので、編集以上にネタ選びが大変なイメージです。

 安場「今まで10回くらい出てるのですが、ネタの順番とか、そういう部分がセンスなさすぎたんです」

 ―(笑い)そうなんですね。

 北村「ぼくらなりに自分らしさとか、そういう感覚のあるネタがあって、それを準々決勝にとっておこうとか、だから今回はこのネタをしようとか、戦略をいろいろ考えるんですが、その選択が少し違ってたのかな、というのは過去数年あるんですよ」

 安場「ぼくらここ2年は、かけたいと思ってたネタを出せずじまいで3回戦で負けてるんです。ただ、そのセンスのなさのおかげでネタはたまってるんです(笑い)。だから今年こそはいけるんちゃうか、とは思ってるんですけど(笑い)」

 北村「まあ、そんなこと言ってたら直前にまた新しいネタをやって敗退とかもありますけどね(笑い)」

 安場「新しいネタってかわいいんですよ。自分らの中で鮮度もあって心地良いし」

 ―丸亀さんはたくさん舞台も踏んでいらっしゃいますが、ぶっちゃけ、どちらが楽しいですか?

 安場&北村「寄席です!」

 ―ですよね(笑い)

 北村「寄席はお客さんと一緒に楽しい空間を作っていく感じですけど、賞レースは演者だけでなく、お客さんまで目が違う」

 安場「あ、このネタね、とか、どんなボケすんねん?とか、お客さんがそんな感じなんで、場が緊張でピリピリしてますから。でも、ワクワクドキドキという意味ではまた違ったおもしろさはありますけどね。楽しいなーとは思えん(笑い)」

 ―でも、ハクをつけるためにはタイトルが必要というのは、今の時代しかたがないところもありますね。

 安場「そうですねえ。関西の賞レースはほぼ10年目までなので、全部終わっちゃってるんです。なんか1個は獲れるかな?と思ってたんですが、まったく獲れずで、ほんまカッコ悪いんですが…」

 ―しかし、初タイトルがM-1とかめちゃくちゃカッコよくないですか?

 北村「そうですね。今まで無冠だったのはそのフリということで(笑い)」=終わり

 【取材を終えて】2、3年前にテレビの賞レースでたまたま見た「米」というネタに衝撃を受けた。初めて米を食べた前史の時代の人間がそのうまさに夢中になっていく、という壮大な話をコンパクトかつユニークにまとめたネタで、審査員を務めていたオール巨人も絶賛していた。

 しかし、M-1では上がってこず、その風貌もあって「ひょっとしたら芸歴制限超えたのかな?」と思ってたらバリバリ制限内。今回の取材でわかった。ネタ選びがヘタらしい(笑い)。

 大師匠もうならせるのだから、実力は折り紙付き。今回は自分たちの好き嫌いに流されず、きちんとネタを吟味して大舞台に臨んでください。(江良 真)

 【公演情報】「ど玄人」8月29日、大阪・よしもと漫才劇場。天才ピアニスト、アキナ、ラフ次元と共演。

 「バカ丸ライブ」9月4日、大阪・よしもと漫才劇場。バッテリィズ、カベポスターと共演する不定期公演。

 公演問い合わせはFANYチケット 06-6646-0365(平日12時~22時、土日祝9時~22時) 

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