「ライフ」名演技・福田沙紀 話題の監督初挑戦 初「カットー!」で思ったこと
2024年10月23日 07:15
芸能
「普段は言われる側なので、初めてカットー!と言った時はくすぐったかったですね。たまに言い忘れる時もありましたし。私が演じる時には男性の監督さんが多かったので、私の“カット!ありがとう!OK!”は低い声になっていました(笑い)」
13歳だった2004年の第10回全日本国民的美少女コンテストで演技部門賞を受賞し、芸能事務所「オスカープロモーション」入り。同年にTBS「3年B組金八先生」で女優デビュー。07年に放送した「ライフ」で見せた、いじめの主犯格役が今でも語り草になるほどの強烈な印象を残したほか、さまざまな作品で主役、ヒロインを演じた。経験豊富な福田だが、今作は出演することなく、監督に徹した。
「BUMPさんからは“ぜひ出演もしてほしい”と言っていただきました。監督をさせていただけるだけでも大変うれしいことですし、もちろん出てほしいと言っていただくのもうれしいですが、監督という今回の自分の業務に中途半端ではなく徹底的に向き合いたかったので、出演はせずにしっかりとやらせていただきました。自分が演じたくなることはまったくなく、どうすれば、登場人物みんながより愛おしく映るかを考えていました」
撮ったのは、1話1分前後のショートドラマ全29話。物語は、結婚を考えていた彼氏に振られてしまったアラサー会社員の美冬(下京慶子)が店で1人でヤケ酒をした後、目覚めると、自宅のベッドの隣には“仔犬顔”の年下男子・隼人(平井亜門)が眠っていたことから始まるストーリー。隼人に「本当に1人で生きていきたいの?」とたずねられ、美冬は自分自身の気持ちに素直になることを学んでいく。関係修復に努力する、穏やかで誠実な外資系営業マンの元彼・大輝(平田雄也)との関係に揺れながらも、理性では交わらない方がいいと分かっていながら、美冬は年齢も立場も全く違う隼人に惹かれていくが…というドキドキの展開が描かれる。女性視聴者からは「キュンキュンした」「面白かった」「テンポ感が小気味よい」など、作品を存分に堪能した感想が上がっている。
視聴者からは「キュンキュンする」「面白い」「登場人物の気持ちが伝わってくる」との声が多数上がっている。
「ライフに出演した時、カメラワークの大事さを感じました。例えば、私が当時演じた、いじめ加害者の愛海がいかに不気味に登場するかは、画角によって全然違って見えました。“こういうふうに映像化されるんだ”と、とても刺激を受けました。そういった経験と、もともと韓国ドラマや映画が好きで、韓国作品は愛らしいキャラクターは本当に愛らしく映し出すし、全員が主人公といった作りも多くて、私も今回そういったものが作りたいと思いました。それに、今、韓国ドラマが人気ということもあって、BUMPさんからも“韓国ドラマのような作品が撮りたい”というオーダーもあって、登場人物を少し斜めから撮ったり、よりかわいらしく見える角度を見つけて撮ったり、心情が映像から伝わるようなそんな画角も工夫しました」
結果、出演陣のナチュラルな演技と小気味よいセリフ、飽きさせない画角、きれいな色味で没入感あふれる作品が誕生した。
「カメラマンさんが映画『YATTER MAN~ヤッターマン~』(09年公開)でご一緒した方で、すごくいい絵を提案してくだっさってとても感謝しています。またご一緒できたこともうれしかったですし、出会いの大切さもあらためて感じました。今回、監督をやらせていただいて、こういう世界の見え方があったのかと存分に楽しめました」
熱い口調と晴れやかな表情から真摯(し)な仕事ぶりがうかがえた。