【コスプレ図鑑】「学校では内緒」の密かな推し活トレンド 10代女子が支持する「美しい男装」の魅力とは…

2024年10月23日 11:45

芸能

【コスプレ図鑑】「学校では内緒」の密かな推し活トレンド 10代女子が支持する「美しい男装」の魅力とは…
【画像・写真1枚目】男らしさを意識した「男装」で絶大な人気を誇るズミさん(左)と桃戸ももさん(右) Photo By 提供写真
 10代の少女たちの熱い視線が、漫画やゲームからそのまま飛び出してきたような「美少年」や「美青年」に注がれている。実はいま、密かに彼女たちの心をとらえているのが「美しい男装」をする女性コスプレイヤーたちだ。理想を体現するカリスマレイヤーへの「推し活」を通して、彼女たちは一体何を見出しているのか。日本最大級のコスプレイベントの現場から探った。
 9月末、東京・池袋で開催された「acosta!」(アコスタ)では、様々なキャラクターに扮したコスプレイヤーが集結する中、ひときわ注目を集めていたのが女性レイヤーによる「男装」。会場で行われたアンケート調査から、10代女子たちが熱い視線を注いでいることが浮き彫りになった。

 コスプレをしていない10代女子を対象としたアンケート(回答者31人)では、86.1%が「推し活」目的で来場し、その中で推しているコスプレイヤーを「男装の女性」と答えた人が45.2%におよんだ。惹かれる理由について「かわいさとカッコよさを兼ね備えている」「女性の方がメイク技術が高く、キャラに顔を近づけやすい。女性の方が話しやすい」「キャラクターの再現度」などが挙げられた。さらに「たまたま好きになった人が女性だった」という意見も多く、性別にとらわれず自由な価値観でコスプレイベントを楽しむ様子が垣間見えた。

 「美しい男装」の推し活について、応援される側はどう感じているのか。「呪術廻戦」夏油傑や「原神」のキャラクターなどの男装をSNSで公開する人気コスプレイヤー・ズミさんは、イベント出演時に交流に訪れるファンが「ほとんどが女性」だという。特に最近は若い世代や中高生が増えているとし「純粋に憧れを持って会いに来てくれるのが嬉しいですね」と歓迎する。

 一方、8.5頭身の「2.5次元ボディ」を生かした男装で熱烈な支持を集める桃戸ももさんは「私の場合は男性のファンが男装のレイヤーにしては多い方かなと、男装のイベントをやっても2割くらいは男性のファンが来てくれます」と説明。「同性のファンの方に応援されるのはとても嬉しいことだなと感じています!最近はSNSが10代に多く普及しているので、SNSから見つけて応援してくださる方が多いのかなと思います」と新たな推し活トレンドを好意的に受け止めた。

 男装に惹かれる要因はコスプレイヤー自身がこだわる「男らしさ」にもありそうだ。ズミさんは男装について「リアルな男らしさをだすことですかね...男装にも色々ありますが、自分は男らしいというか...男くさいというか...笑、そういうのを出せるように努力しています」と告白。桃戸さんも「キャラクターのコスプレの場合はそのキャラにどれだけ寄せられるかを意識しています。オリジナルの男装(創作男装)の場合はメイクを、実際の男性を見て男性らしい特徴を研究してメイクをするようにしています。あとは体型も男性らしいシルエットになるように意識しています」と明かした。

 acosta!で実施したアンケートでは学生のリアルな実情も浮き彫りになった。学校でコスプレイヤーへの推し活が盛り上がっているかどうかについて尋ねたところ、「友達の間では盛り上がっている」「学校にコスプレイヤーが多い」という肯定的な意見と、「流行っていない」「学校でコスプレと言いにくい」という否定的な意見が拮抗した。

 10代女子の間で密かに盛り上がりを見せている「美しい男装」。このトレンドについて「Ultra acosta!」統括プロデューサーの西澤直史氏は「線の細い男性キャラクターのコスプレをする際、線の細さや中性的な顔立ちなど、女性の方が再現度が高い傾向にある」と分析。今後については「コスプレして楽しむ、コスプレを撮影して楽しむ、以外に『コスプレを見て楽しむ』という方も増えている中、昨今の推し活ブームも相まって、『コスプレイヤーを推す』という活動が広がっていくのでは」とみている。

 ハロウィンを目前に控え、コスプレイベントが各地で盛り上がりを見せるこの季節。今年は「着て楽しむ」コスプレだけでなく、「見て楽しむ」そして「憧れる」対象としての「美しい男装」に注目だ。

(コスプレ図鑑取材班)

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