春だけじゃない 気を付けたい秋の花粉症 ピークは?予防法は? 注意するポイントを解説

2024年10月25日 05:00

芸能

春だけじゃない 気を付けたい秋の花粉症 ピークは?予防法は? 注意するポイントを解説
秋の花粉症 主な対策 Photo By スポニチ
【生島ヒロシ オヤジの処方箋】 芸能界一、健康に詳しいアナウンサー生島ヒロシ(73)が、シニアに向けて元気に生きる方法を指南する連載「誰も教えてくれなかった“老いるショック”脱出術 オヤジの処方箋」。今回は「秋の花粉症」についてです。
 こんにちは、生島ヒロシです。皆さんの周囲にクシャミ連発してる人、いませんか?私の周りには結構いるんですよ。秋がグッと深まって、朝晩寒くなったので、風邪かなと思って聞いてみると、「熱はないんですよね、ハックション!」という返事。実は、花粉症の可能性があるんです。秋なのに?そう、花粉症は春だけじゃないんです。テレビで花粉症の解説でおなじみ、JCHO東京新宿メディカルセンター耳鼻咽喉科の診療部長、石井正則先生に教えていただきます。

 石井先生、春の花粉症といえばスギですが、秋はどんな植物なんですか?

 「ブタクサ、ヨモギ、カナムグラなどですが、圧倒的にブタクサの花粉症の方が多いです。全体の約50%。雑草ですので、空き地、土手などに生えている身近な植物。その周囲を歩いたり、走ったりしてクシャミが何度も出たら、秋の花粉症の可能性が高いです」

 春の花粉症はいまや国民病ですが、春になる人は秋もなるんですか?

 「スギの花粉症の方の約30%がブタクサの花粉症と言われています。約3割の方が秋も発症します。秋だけ花粉症になるのは少数です」

 秋の花粉が飛ぶピークはいつごろですか?

 「お盆明けから10月末までと言われていますが、昨年は11月になってからも何人も患者さんが来院されました。実は天候と関係があり、昨年は猛暑で日当たりがよく、植物の生育もよかったので長い期間、花粉が飛びました。今年も猛暑でしたから、11月に入ってからも警戒が必要です」

 寒くなってきたんで、体調を崩して風邪をひく方も多いです。秋の花粉症なのか風邪なのか、分からない方も多いと思います。

 「花粉症なら、クシャミが止まらない、医学用語で水様性鼻汁(びじゅう)と言いますが、鼻水が滝のように出る。高熱が出ることはありません。喉の激しい痛みもありません。一方の風邪は、クシャミは何度も連続して出ません。鼻水が垂れっ放しということもありません。熱が出たり、喉も痛くなることがあります。感染症の兆候として、鼻汁は粘り気があり、黄色や緑になります。色の付いたタンが出るのも特徴です」

 秋の花粉症はどのように予防すればいいですか?

 「春と同じく花粉を体内に取り込まないようにするため、丁寧な床掃除で花粉を除去、空気清浄機を使用、マスク着用が基本です。秋の特徴としては、原因となる植物が生活圏内に生えているので、散歩をするときにもマスクをするようにしてください。また花粉は、午前中、気温が上がって風が出てきたときに舞います。午前中の外出は控えるというのも予防法の一つです」

 秋はそこらじゅうに“花粉噴射機”があるようなものですね。

 「もう一つ、ぜひ注意していただきたいことがあります。今は衣替えの時季ですよね。夏の間に布団、毛布、秋冬の衣類の中で繁殖したダニが、気温が下がってきたことで死に、衣替えで押し入れから出すときに、その死骸が細かくなって部屋の中を舞います。主にこれらのダニが原因ですが、ハウスダストのアレルギーがある方は、秋は花粉とのダブルパンチ状態になります」

 秋の花粉症も、ハウスダストアレルギーも同じような症状が出るんですね。

 「同じです。どちらの場合でも重要なのは家の中の“対流花粉”への対処です。“対流花粉”は私がつくった言葉ですが、寒くなって窓を閉め切った室内では、持ち込まれた花粉とダニの死骸が絡みつき、床に落ち、人が歩いたりすることで舞い上がります。しばらくすると落ちてきて、また振動があると舞い上がる。これを繰り返し、花粉やダニの死骸は徐々に綿ぼこりのように大きくなっていく。一度に大量に舞い上がることになり、花粉症やハウスダストアレルギーの方には一大事となるのです」

 まさに“負のスパイラル”ですね。

 「密閉性が高い現代の家では、対流花粉が起こりやすい傾向にあります。対策はやはり、床掃除と空気清浄機の活用です。空気清浄機は新型コロナウイルスのまん延で購入したご家庭も多いと思いますので、この時季にも使ってください」

 私は、春はかなり花粉症に悩まされているんですが、秋は今のところ大丈夫です。外を歩くと気持ちがいい季節。ブタクサが生えてそうな空き地のそばを通るときは、花粉症のある方は、ちょっと面倒でもマスクをつけましょうね。あと、衣替えでのダニの死骸は盲点でした。押し入れから布団を出すときには、換気をしっかりとね!

 ◇生島 ヒロシ(いくしま・ひろし)1950年(昭25)12月24日生まれ、宮城県出身の73歳。米カリフォルニア州立大ロングビーチ校ジャーナリズム科卒業後、76年にTBS入社。89年に退社し、生島企画室を設立。TBSラジオ「生島ヒロシのおはよう定食・一直線」(月~金曜前5・00)は、98年から続く長寿番組。健康に関する名物コーナーに登場する名医たちとの親交から、芸能界きっての健康通。元為替ディーラーで経済評論家の岩本さゆみ氏との共著「日本経済 本当はどうなってる?」(青春出版社)が販売中。

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