福田沙紀 監督初挑戦で学んだこと “フック”がカギのショートドラマ、大幅修正で向き合った苦労とは
2024年11月03日 07:15
芸能
新たな挑戦は、2023年公開の映画「シキ」に出演した時、「役者ではなく裏方として作品作りに関わっていきたい」と話した福田のことを、山口龍大朗監督が「福田さんは監督ができるんじゃないかな?」とBUMPに伝えたことがきっかけだった。
手掛けたのは、1話1分前後の全29話。だが当初の依頼は1話3分を10話だった。「“ちょいちょいちょい!聞いてないですう”みたいになりました。こうなると脚本から変わってくるんです。連続ドラマには、フックと呼ばれる“次の展開が気になる要素”を作らないといけなくて、それが1話につきだいたい2個。当初の依頼は10話だったので20個でしたが、結局29話になったので、必要になったのは約60個。とんでもない変更ですけど、女優としてスタイリスト役でも出演している、脚本家の灯敦生(ともり・あつき)さんが頑張ってくれました。灯さんと私も含めて5人ぐらいでああでもない、こうでもないと脚本会議もして、そしてさらに灯さんと私でかなり打ち合わせも重ねて作り上げていきました」
そして完成したのが、スピード感ある飽きさせない作品。新人監督は予期しないオーダーをどうとらえ、迅速に対応していったのか。
「どんな仕事にも変更はあるし、どれだけ柔軟に対応して、いいものを作れるかだと思います。私はこういうことの方が燃えるタイプ。制限の中でいいものを作っていきたいと思い、挑戦しました」
物語は、結婚を考えていた彼氏に振られてしまったアラサー会社員の美冬(下京慶子)が店で1人ヤケ酒をした翌朝、目覚めると、ベットの隣には仔犬顔の年下男子・隼人(平井亜門)がいたことから始まる。その後、隼人に「本当に1人で生きていきたいの?」と尋ねられ、美冬は自分自身の気持ちに素直になることを学んでいく。理性では交わらない方がいいと分かっていながら、美冬は年齢も立場も全く違う隼人に惹かれていくが…というドキドキの展開が描かれる。
出演者の生き生きとした表情、小気味よいテンポのセリフ、飽きさせない展開…。女性視聴者からは「キュンキュンする」「面白くて一気見した」など作品を堪能した声が多数上がる。
「面白かったという言葉を聞くと挑戦して良かったと思えます。いろいろなことを面白がって生きていきたいですし、どれだけベストが尽くせるかというのが大事だと思っています。チャレンジしていける自分でありたい。そう思っています」
全力で向き合ったからこその穏やかな表情で語った。