福田沙紀 監督初挑戦は「とにかく楽しくて仕方なかった」 今後撮りたい作品とは?
2024年11月03日 07:30
芸能
現場では低めの声の「カットー」の声が響いた。「私が演じる時には男性の監督さんが多かったので、私の“カット!ありがとう!OK!”は低い声になっていました(笑い)」
13歳だった2004年の第10回全日本国民的美少女コンテストで演技部門賞を受賞し、芸能事務所「オスカープロモーション」入り。同年にTBS「3年B組金八先生」で女優デビュー。07年に放送した「ライフ」で見せた、いじめの主犯格役が今でも語り草になるほどの強烈な印象を残したほか、さまざまな作品で主役、ヒロインを演じた。演じる側の気持ちもくんで、最大限に力を引き出した。
「ライフに出演した時、カメラワークの大事さを感じました。例えば、私が当時演じた、いじめ加害者の愛海がいかに不気味に登場するかは、画角によって全然違って見えました。こういった経験と、もともと韓国ドラマや映画が好きで、韓国作品は愛らしいキャラクターは本当に愛らしく映し出すし、全員が主人公といった作りも多くて、私も今回そういったものが作りたいと思いました。登場人物を少し斜めから撮ったり、よりかわいらしく見える角度を見つけて撮ったり、心情が映像から伝わるようなそんな画角も工夫しました」
撮ったのは、1話1分前後のショートドラマ全29話。物語は、結婚を考えていた彼氏に振られてしまったアラサー会社員の美冬(下京慶子)が店で1人でヤケ酒をした後、目覚めると、自宅のベッドの隣には“仔犬顔”の年下男子・隼人(平井亜門)が眠っていたことから始まるストーリー。隼人に「本当に1人で生きていきたいの?」とたずねられ、美冬は自分自身の気持ちに素直になることを学んでいく。関係修復に努力する、穏やかで誠実な外資系営業マンの元彼・大輝(平田雄也)との関係に揺れながらも、理性では交わらない方がいいと分かっていながら、美冬は年齢も立場も全く違う隼人に惹かれていくが…というドキドキの展開が描かれる。
自身の経験から雰囲気作りにも力を注いだ。「役者が“これでいいのかな?”と不安な中でやり続けるより安心感を感じてほしいと思っていました。平井亜門君、平田雄也君も“監督がすごくうなずいていたのでこれでいいんだと安心しました”と言ってくれて、安心した中で芝居ができたなら良かったと思っています」。のびのびと演技できる環境を整え、出演陣のナチュラルな演技と小気味よいセリフ、飽きさせない画角、きれいな色味で没入感あふれる作品が誕生した。
早くも今後どんな作品を生み出すのか期待が高まる福田監督。「アクションで女性ヒロインをカッコ良く撮れるんじゃないかな?と思っています。それに学園もののもやってみたいですね。会話劇でセリフのテンポも楽しめるものも撮ってみたいし…。役者としては独学で学んでいた韓国語を使ったお芝居とか、さまざま、どんどん挑戦していきたいです」
大きな瞳がますます輝いた。