【大阪杯】リチャード好時計12秒4!ミルコ絶賛「ムキムキ」
2018年03月29日 05:30
競馬
最終追いは主戦のM・デムーロを背にCWコース単走。序盤は鞍上が制御を利かせながら折り合いに終始。不得手と思われている右回りのコーナーを順手前で加速していくと、直線は鞍上の体重移動でスッと左手前へ。そこからギアを上げるとラスト1F12秒4(6F83秒3)の好時計を刻んだ。引き揚げてきた鞍上の表情は明るい。
「競馬したばかりなので馬なりで。いい感じで落ち着いていたし、動きは良かったね」
今年初戦を快勝し最高のスタート。その金鯱賞は超スローペース。折り合いが難しい相棒を、名手はあえての積極策に出た。「G1は内回り舞台。それを考えて前で競馬をした」。スローペース必至の顔ぶれで不利な大外枠。同じく外枠に泣いた有馬記念(4着)の反省を踏まえ、スタートから押してポジションを取りに行った。結果、直線で粘るサトノノブレスに競り勝つと、中団から追い上げてきたサトノダイヤモンドの猛追も寄せ付けなかった。
「最後はズルさを見せたけどね(笑い)。でも、凄く力はある。有馬は外々を回り苦しくなってモタれたけど、手前自体はしっかり替えていた。僕は右左(回り)は気にしていないよ」
ゴール前は耳を絞り、気の激しさを見せたものの余裕の手応え。ライバル勢にとっては、どこまで走っても縮まらなかった差と言えよう。何より大きな収穫となったのは“先行差し”が決まったこと。鞍上は「阪神の2000メートルはスタートが大事。前々でも落ち着いて走れていた」と着差以上のパフォーマンスを称えた。
前肢を叩きつける力強いかき込みが持ち味。“戦車”のような推進力に以前は体がついてこなかったが、今は馬体が充実してフォームに一本芯が通った。「初めて乗ったときに比べて体はムキムキ。馬は成長している。G1を獲れる力はあるから」。鋼の肉体で進化を遂げた新星リチャード。右回りも克服し、新時代の王者へ名乗りを上げる。