【安田記念】鈴木康弘氏 ロマンチックウォリアー 返し馬で軽い芝も左回りもOKと確信

2024年06月03日 05:27

競馬

 【鈴木康弘 達眼解説】氏より育ちといいます。この格言を競走馬に置き換えれば「生産国より調教国」。アイルランド生まれのロマンチックウォリアーの返し馬を見た時、負けないだろうと確信しました。欧州産馬の重たい芝をたぐるような走りではなく、香港調教馬らしい軽い芝の上を軽やかに弾むようなフットワーク。左回りの経験が少ないが、最初のコーナーで左手前(軸脚)にスムーズに替えました。レース前に懸念されていた点を返し馬で払拭してくれたのです。
 レースでは馬群の中で実にリラックスしていました。9戦ぶりのマイル戦でも加速力を生み出す岩のように大きなトモの筋肉と野太い首を使って難なく好位につけると、掛かるそぶりも全くない。直線でマクドナルド騎手の手綱が緩むと、楽に抜け出してきました。次元の違う末脚。2着ナミュール、3着ソウルラッシュも力を出し切っているが、力が違い過ぎた。香港最強馬の金看板にふさわしい完勝です。

 欧州産馬は軽い馬場に向かないと言われますが、香港でレースを繰り返す中で香港の軽い芝にフィットしたフォームを身に付けたのでしょう。馬は体力を消耗しないような走り方を自ら覚えるものです。話が少し横道にそれますが、日本馬が凱旋門賞を勝つにはどうすればいいか。欧州で調教、レースを重ねて現地の重たい芝にフィットした走り方を身に付ける必要がある。競馬も氏より育ちです。香港最強馬は予備登録した宝塚記念には向かわず帰国するそうですが、競馬の格言も再認識させるケタ違いの走りを見せてくれました。 (NHK解説者)

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