2倍食べ…奈緒スマイル見せられず 悔しさ胸に滑り切る
2014年02月14日 00:45
五輪
幼いころ、父安彦さん(58)から植え付けられた「自分で考える」を原点に、理想の滑りを求めて試行錯誤を重ねてきた。たどり着いた2度目の五輪は“奈緒スマイル”を見せられずに終わった。
3歳からスケートを始めた小平選手。最初に指導したのは安彦さんだった。選手経験はなく「スケートは体育の授業でした程度」だったが、近くのリンクに実業団の選手が練習に来るたびに、見学して滑りを学んだ。
小平選手が小学生になると、毎日の練習メニューは自分で組ませた。安彦さんは「簡単に人から教わるのではなく、自分で考えて発見するというプロセスを大事にしてほしかった」と話す。
「どうやって滑れば速くなるんだろう」「奈緒はどう思う?」。父子はいつも話し合った。実業団チームの練習を見て「氷を蹴る音がしないのにすごく速い」と驚いた小平選手が「忍者の滑り」と名付け、遊びながらまねしたりもした。
練習中、リンクを1周しては必ず、父に感想を尋ねた。「体重移動が良かったね」「左足の1歩目が良かったよ」。父の褒め言葉と自分の意図が一致したときは、満面の笑みを浮かべた。
中学生以降は父の手を離れたが、小平選手は今も「見て、考えて、自分のものにするという基本を教えてくれた」と感謝する。
2度目の五輪を控えた勝負の今季。終盤に失速した前シーズンの反省から、体力強化を狙って食事をこれまでの2倍食べることに決めた。ご飯は茶わんから丼に変えて大盛りにし、肉の量を増やした。体重が増し、滑りが力強くなった。(共同)