【高校サッカー】海賊王になる!! 近江が初めて決勝進出 県勢18大会ぶり優勝に挑む

2024年01月07日 06:00

サッカー

【高校サッカー】海賊王になる!! 近江が初めて決勝進出 県勢18大会ぶり優勝に挑む
<近江・堀越>勝利を喜ぶ近江イレブン(撮影・西海健太郎) Photo By スポニチ
 【第102回全国高校サッカー選手権 準決勝   近江3―1堀越 ( 2024年1月6日    国立 )】 近江(滋賀)はともに初の国立対決となった堀越(東京A)との一戦を3―1で制し、初の決勝進出を決めた。前半11分にMF鵜戸瑛士(3年)が先制弾。同22分までに3点を奪って主導権を握り、快勝した。滋賀県勢として2005年度の野洲以来18大会ぶりの優勝に挑む。青森山田(青森)は市船橋(千葉)を1―1からのPK戦の末に下し、2大会ぶり4度目の制覇に王手をかけた。決勝はあす8日に東京・国立競技場で行われる。
 水色ではなく、黄色のセカンドユニホームに袖を通しても海賊軍団の快進撃はとどまるところをしらない。近江は初の国立にも物おじしないどころか、前半22分までに3点を奪い、あっという間に勝負を決めた。何もかもが機能し、DF金山主将は胸を張った。

 「(試合の)入りが課題だった中で、試合前に監督から“自分たちのサッカーに没頭しろ”と言われて、それができました」

 準々決勝までの3戦は、いずれも前半で劣勢。この日の朝方まで映像で堀越を研究したという前田高孝監督(38)は金山を本職のセンターバックから左ウイングバックで起用し、これがピタリとハマった。前半11分に先制した2分後の同13分、背番号10が中央突破からチャンスをつくると、こぼれ球をMF山門が押し込んで2点目。同22分には競り合いからのこぼれ球をゴール左隅へ転がし、国立で今大会初ゴールだ。「冷静に流し込めた」と相好を崩した。

 サッカー人生2度目の主将。だが、1度目の記憶はほろ苦い。小学5年生で任されたが、途中で交代したという。今でも「キャプテンを務めることに自信はない」。だが準々決勝で2得点を挙げた2年生のMF山本は「試合中でも“俺がやるからついてきてくれ”とか“一緒に戦おう”と言葉で引っ張ってくれる。尊敬しています」と話す。自信がないからこそ、仲間を鼓舞し続けてきた積み重ねが信頼を生み、躍進の原動力になっている。

 チームスローガンの「Be Pirates(海賊になれ!)」は数年前に、学校の視聴覚室で行われた監督とスタッフの話し合いで決まった。強化指定クラブとなった16年、部員はわずか4人だった。指揮官は「何もないところから頂点を目指すのが海賊っぽいよね、ということで決まった」と誕生の経緯を明かした。05年度の野洲以来、県勢2度目の頂点へ、待ち受けるのは青森山田だ。下克上物語の完結へ、高校サッカー界の“ラスボス”を倒して海賊王の称号を手に入れる。 (北野 将市)

 《滋賀県勢の決勝進出は野洲以来18大会ぶり》
 〇…2年連続3度目出場の近江が準決勝で堀越を3―1で下し、初の決勝進出を決めた。滋賀県勢の決勝進出は、第84回大会(2005年度)で優勝した野洲以来18大会ぶり。県勢の優勝は野洲の1度だけで、第20回大会(1938年度)の滋賀師範、第79回大会(00年度)の草津東は決勝で敗れた。

 《ゴイゴイスー!OBダイアンの津田も快進撃に反応》
 ○…近江OBでお笑いコンビ・ダイアンの津田篤宏(47)も快進撃に反応した。前半途中に自身のSNSを更新。「近江がんばれー!てかつよい」と後輩たちの勇躍を称えると、「いいね」が1200件以上付くとともに、「先輩の応援が届いてる ゴイゴイスー!」と凄いという意味の津田の代表ギャグにちなんだ反応も届いた。学校所在地の滋賀県彦根市の商業施設「アル・プラザ彦根」ではパブリックビューイングが実施され、立ち見客を含め総勢約150人が声援を送ったという。

 ▽近江高等学校 1938年(昭13)創立。滋賀県彦根市。スクールカラーは青。サッカー部は71年創部で、選手権は2020年度に初出場初勝利。硬式野球部、バレーボール部、柔道部も全国レベル。主な卒業生に津田篤宏(お笑いコンビ・ダイアン)、植田海(阪神)、京山将弥(DeNA)、山田陽翔(西武)ら。

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