【森保監督一問一答】イランに逆転負け 交代カードを残した理由 アジアの戦い、選手の熱量は?

2024年02月04日 00:40

サッカー

【森保監督一問一答】イランに逆転負け 交代カードを残した理由 アジアの戦い、選手の熱量は?
<アジア杯 イラン・日本>試合後、円陣で話をする森保監督(撮影・西海健太郎) Photo By スポニチ
 【アジア杯準々決勝   日本1―2イラン ( 2024年2月3日    カタール・アルラヤン )】 カタールで開催中のサッカー・アジア杯は3日、準々決勝が行われ、日本代表(世界ランク17位)がイラン代表(同21位)に敗戦。アジア1位と2位の直接対決という今大会注目の“大一番”に1―2で敗れ、2大会ぶりに8強で姿を消した。一方、イランは22年W杯カタール大会以降の無敗記録を17に伸ばし、2大会連続の4強入りを果たした。
 1-1で迎えた後半アディショナルタイム。板倉滉がクリアしようとジャンプするが、空振りの状況となり、詰めてきたカナニを倒してしまい、PKを献上した。これをジャハンバフシュに決められ、8強で散ることになった。

 森保監督は会見後に報道陣の囲み取材に応じた。主なやりとりは以下の通り。

 ――8強での敗退について。
 「優勝を目指してここにきて、選手もスタッフも準備段階からチームのために100%日々頑張ってくれた。選手スタッフの頑張りを結果に結びつけられなかったのは、監督として非常に残念です。応援してくださったサポーターのみなさんや、我々が勝って行くことで選手の頑張りで能登半島地震の被災者の方々、復旧復興にご尽力されている方々に励ましのエールを送りたかったが、それができずに非常に残念に思っています。同時に、我々を応援してくださった全ての皆さんに感謝申し上げたい」

 ――大会に入って、チーム全体の調子が上がらなかった。
 「そうですね、ん~、ちょっとこのアジアの戦いで、ピッチ状態であったり、対戦相手の我々に対する警戒が非常に強くなって、対策がこれまでよりも厳しくなったことは感じています。あとは、中東でのカタールでの戦いで中東勢と戦うのは雰囲気的にも難しいと感じた。日本に対する、対策を乗り越えていけるように、それは戦術的なところもそうですけど、モチベーションのところで相手が非常に高く、死に物狂いで戦って来るところをさらに我々も死に物狂いで必死になって戦う覚悟を持たなければいけない」

 ――追加点が奪えない、1度相手に行った流れを引き寄せられない弱さが出た。
 「弱さといわれればそれまでですし、2点目を奪いには選手たちもいってくれていましたけど、2点目を奪えなかったのは非常にこの試合をものにできなかったところでは大きかったかなと思います。相手のラフなロングボールに対しても弾く部分であるところは耐えながら、我々の時間帯にしていかなければいけないのはできなかったところはある。それに関してはまだまだ力を付けなければいけない。相手の圧力のある攻撃に対して、我慢する、はじき返せるところ、自分たちの流れに持って行けるように力を付けなければいけない。守備だけではなく、2点目を奪えなかったことと、ロストが非常に多くなって、相手の攻撃を受けてロングスロー、セットプレー、オープンプレーの中でのラフなボールも増えてきた。相手にできるだけ渡さないようにする攻撃の質もあげていかなければいけない」

 ――交代カードの切り方については?
 「まずは相手に押されている中で、南野と三笘を投入して、そこで推進力を上げるということで投入したが、相手の対策もあって、なかなか推進力を上げられずに試合が押されてしまった。滞ってしまったところがある。それをまた、ほかにも交代カード、守備の部分ではじき返せる選手も我々にいるので、交代をどうしようかと思っていたが、相手が全然交代カードを切っていない中で、時間推移をみても延長勝負も考えられた中で、そこでどうやって勝負するかというところで、相手の出方を見ながら、どうやって相手を上回っていけるところ、カードを切ろうかと思っていました」

 ――町田の投入は考えなかったか?
 「3バックにすることやサイドバックを変えたりというところ。相手のサイド攻撃が大分圧力になっていた。対策は考えていたが、耐えていって前線の交代カードを切りたいという思いだった。攻撃で推進力をあげることを考えていた。昨日の韓国対オーストラリア戦をみても、オーストラリアが勝っている状態で押し込まれて(システムを)5―4―1にしてじり貧になるところも見た。3バックは(これまでは)守備的な最後、逃げ切る局面で使っていたので、そこは攻撃的な部分での交代カード、システムを変えることを考えていた」

 ――冨安がチームの熱量という言い方をしていた。ばらつきがあった?どういう原因があるのか?
 「熱量という部分では、選手のモチベーションはアジアカップにむけて優勝を目指すところはあった。スタートの段階では欧州で戦っている選手の日常とアジアでの戦いのギャップの中で、アジャストしていかなければいけない部分はモチベーションであったりプレーの選択であったりというのは出ていたと思うが、試合するごとに改善して、モチベーションの部分では問題なく戦えた。ただ、熱量というと、相手よりもさらに上げていかなければ行けないところは、選手がというよりも私自身ももっと選手の熱量を上げられる働きかけを選手だけにやらせるのではなく、自分自身も環境作り、働きかけを変えることも考えていかなければいけない。特に欧州と日本の文化の違いで、選手に声のかけ方が全然違うことは代表選手たちを見聞きしても感じるところはある。そこを日本の良さでもありますけど、海外の選手たちの日常の熱量に合わせていくところを考えていかなければいけない」

 ――どういうアプローチができるのか?
 「口調の強さじゃないですか?言葉の使い方。どれだけ強い言葉を使うかというのは選手の会見で冨安がどういう言葉を使っているかはまさに日常が出ている。そういうところかなと思います」

 ――雰囲気が悪くなったときに声をかける選手が少なかった。リーダーも少なかった?
 「それはチームが変わっていく中でキャラクターもある。W杯までのチーム作りとこれからが全て一緒とは限らない。選んだメンバーでクオリティを上げる。声かけも必要なら、これからまたみんなで変えていくところはしなければいけないとは思う。まずは全選手、1人1人がキャプテンシーを持って勝利を目指してと言うことと、その場その場に応じたクオリティを常に上げていくためのお互いの仕事をしてもらえるように、私やスタッフで環境作りすることは大切。これまでベテラン選手が声かけしてくれたところはある。その選手たちにもチャンスはあると思うし、でも、今のチーム作りとそのつど呼んだメンバーの中で雰囲気づくりできることは大切かなと思います」

 ――3月にW杯予選が控えている。
 「不安も自信も常に持ちながら戦うモチベーションにしていく。連勝しているときも確固たる自信よりも、もっともっと上げて行かなければというところは常に持ち続けてきたつもりですし、私自身も選手も持ち続けてくれたと思う。常に今の自分たちよりもレベルアップできるようにというところは目指すものもありながら、現実の中で成長できるようにやっていきたい」

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