時効成立、元指名手配の75歳男逮捕 85年山口組竹中組長ら3人射殺容疑 約40年潜伏か

2024年09月04日 05:30

社会

長崎県警松浦署は3日までに、同県諫早市の無職の男(75)を名誉毀損(きそん)容疑で逮捕した。捜査関係者によると、男は1985年に指定暴力団山口組の竹中正久4代目組長ら幹部3人を射殺した疑いで、犯行グループの一人として指名手配されていた人物。事件は時効が成立している。
 逮捕容疑は、2月下旬、同県松浦市内の複数の飲食店で、30代男性について虚偽の事実を記した文書を配布し、名誉を傷つけた疑い。捜査関係者によると、男性は当時、松浦市議を務めていた。男性は2月下旬、同市内で倒れているところを通行人に発見され、その場で死亡が確認されている。男は男性と知人関係にあったという。

 射殺事件は1980年代後半に全国を震撼(しんかん)させた「山一抗争」と呼ばれる山口組と一和会の抗争のきっかけとなった。85年1月下旬、山口組の田岡一雄3代目組長の後継人事に反発して脱退した一和会側が、大阪府吹田市内で竹中組長らを襲撃して殺害。翌月、山口組は報復行動に出るなどして、各地で銃撃事件が相次いだ。

 88年5月には、神戸市内の一和会会長宅の警戒に当たっていた兵庫県警巡査らが、山口組系竹中組の組員に銃撃され、重傷を負う事件も発生。89年3月に一和会が解散するまでに、317件の抗争事件で死者25人、一般市民を含む70人が負傷した。「山一抗争」は暴力団対策法制定の契機にもなった。

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