なぜ伏見工出身選手は伸びるのか――日本代表に最多3人輩出 “選手ありき”の指導

2018年06月09日 12:25

ラグビー

なぜ伏見工出身選手は伸びるのか――日本代表に最多3人輩出 “選手ありき”の指導
京都工学院の高崎利明ゼネラルマネジャー Photo By スポニチ
 伏見工がジョセフ・ジャパンのナンバー1高校だった。ラグビー日本代表はきょう9日と16日にイタリア代表と、23日にジョージア代表と対戦する。代表スコッド33人の出身高校を見ると、全国高校ラグビー大会で4回の優勝を誇る京都の雄が3人で最多。OBのSH田中史朗(33)、SH内田啓介(26)、SO松田力也(24、すべてパナソニック)が名前を連ね、2019年ワールドカップを目指している。
 なぜ、伸びる選手が出てくるのか。恩師である京都工学院(統合で伏見工から校名変更)の高崎利明ゼネラルマネジャーに、“伏見力”の秘密を聞いた。

 「それは、山口先生(良治、総監督)の教えなんですよ」

 即答だった。

 「今でこそ世界の情報が入るけど、我々の時代は難しい。そんな時代に、(自らの日本代表の経験を元にした)イングランドとの試合はこうやったとか、大西鉄之祐さんの教えはこんなんやったと、いろんな話をしてくれました。そうやって、我々の目線を大きなところへ持って行ってくれました。勝つことは大事だけど、意識をそことは違うところにも持って行ってくれました。君ならこういう風になれる、と」

 故平尾誠二さんとハーフ団を組んで、伏見工初の全国Vに貢献したSH出身の高崎GMは、恩師の哲学を受け継いで「個々のプレーヤーの将来を見て」指導にあたっている。例えば、松田には、「お前は世界に出て行くんやと」と入学当初から言い聞かせたという。

 「この年代には、思い込ませも大事ですから」

 高校レベルでしか通用しないような体格にモノを言わしたプレーには注意した。仕掛ける場面、キックを使うシチュエーションなど状況判断を細かく教えた。高校入学当初から代表の意識を持っていた内田にも、高校レベル以上のプレーを常に意識させた。

 「フミ(田中)は個人の努力によるところが大きいけれど、内田と力也(松田)には、将来のことを語りながら育てました」

 赤と黒のジャージーが長く育んできた指導モットーも、個人の成長に影響を与えているようだ。

 「偏った戦術にはめ込んでいないので、生徒にプレーの規制をかけることは少ないです。得意なところは自分でつくるものですから。選手にいろいろ判断をさせるという点が、もしかしたら主要なポジションで代表に残っている要因かもしれません」

 戦術ありきではなく、選手ありきでチームをつくる。ハーフ団に代表を3人も輩出する背景は、そんなところにあるのかもしれない。

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