須崎&奥野19歳コンビ連覇!パワハラ騒動傷癒え“お家芸”完全復権
2018年10月27日 05:30
レスリング
24日の準々決勝で痛めた左肘は「伸びると痛い」と5重にテープを巻いて臨んでいた。3月のW杯で7―6と苦戦したヒルデブラント(米国)に第1ピリオドまで2―0の接戦。しかし第2ピリオドに入ると圧倒し、11―0でテクニカルフォールに持ち込んだ。
アジア大会では1年4カ月ぶりに黒星。その後は「マットに上がるのが怖い」と手が水のように冷たくなる拒否反応まで出た。そんな時に父・竜司さんに助言を受け、足を使う重要性も指摘された。「久しぶりにズバズバ言われて泣きそうになったけど、よく見てるなと思った」。子供の頃から知る父の言葉は耳に痛いが的確だった。
そのために至学館大本来の猛練習で足腰を鍛え直し雑念も振り払った。アジア大会前は道場の改修で公共の施設を借りており、マット一面で「部員40人では練習量が落ちざるを得なかった」。それが元に戻ったアジア大会後は、嫌気が差すほど厳しく追い込めた。
「この2カ月は自分の弱さと向き合って、妥協しないでやってきた」。東京五輪のライバルは同じ至学館大で55キロ級を制した向田真優(21)。復帰してくれば吉田沙保里(36)も含まれる。だが敗戦の恐怖もケガも乗り越えた奥野が代表争いの先頭に立った。
《須崎 悔しさ乗り越えた》 表彰台で須崎の頬を涙が伝った。2年連続で世界一となり「この1年、悔しい思いをしてきた。昨年より重い金メダルになった」と感慨に浸った。鋭く飛び込むタックルを武器に世界を席巻したが、一本調子な攻めは国内でも研究された。昨年12月の全日本選手権で敗れ、W杯などの代表から外される悔しさを味わった。
決勝はリオ五輪決勝で登坂絵莉(東新住建)が死闘を制したスタドニク(アゼルバイジャン)と初対戦。「練習してきたことをやり切ると決めていた」と培ってきた多彩な技で強敵を翻弄(ほんろう)した。計4試合で無失点、全てテクニカルフォールかフォールという完璧な優勝。国内にライバルひしめく50キロ級で名実ともに一歩抜け出した。
《コーチ陣も吹っ切れた》 パワハラ問題に揺れた女子は、昨年と同じ金4つを含む7個のメダルを獲得し、騒動を払しょくする活躍を見せた。西口茂樹強化本部長は、パワハラ問題以降「お互いに遠慮したところがあって、いつもの練習の半分くらいになっていた」と振り返る。それがアジア大会の惨敗を受けてコーチ陣も吹っ切れた。暴力、暴言は徹底排除した上で追い込む。互いの頑張りが結果につながった。
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