遅咲きだった逸材 ミスター追加招集・山中亮平が手にしたFBという天職
2019年06月09日 10:30
ラグビー
「日本でW杯があるし、年齢も31歳になる。1番、チャンスだと思っている。今回にかける思いは強い」
もともとSOだった。司令塔としてチームに君臨し、東海大仰星と早大で全国制覇をしたスター選手だ。誰もが認める才能の持ち主ながら、15年W杯は最後に代表を落選した。
手応えは、やっている本人が一番分かるものだ。当時は、ゲームメイカー的ポジションのCTBもしていた。チームで厳禁だった飛ばしパスをし、エディー・ジョーンズ前ヘッドコーチの逆鱗(げきりん)に触れたことがあった。代表入りは無理だろう。結果を悟る中でのハードな選考合宿は、体よりも心にこたえた。ゴールが見えないレースから解放された時、今までにない感情が芽生えた。
「悔しいけど、ホッとした。やっと終わる。そんな思いだった。色んな意味がこもった“ホッ”だった」
あれから4年。再び最終メンバー入りをかけた代表候補合宿が9日から始まる。ポジションが変わり、前回にはなかった自信を持って臨む。FBになって、「役割が明確になった」ことが飛躍の理由だという。
神戸製鋼でもサンウルブズでも、相手ごとのランとキックの決めごとがしっかりある。
「それを1週間かけて準備ができる。だから迷いなくプレーができる。それが今までと違うところ」
かつて意のままに試合を組み立ててきたファンタジスタは、実は使われる側の方が肌に合っていたのかもしれない。役割を決められたことで持ち味の突破力に磨きがかかった。昨季のトップリーグは、9トライと大ブレーク。課題の守備でも成長を見せている。
故障者が出るたびに代表などに招集され、「ミスター追加招集」と呼ばれたこともあった。だが、そんな三枚目的な肩書きは、大器には似合わない。合宿とパシフィックネーションズカップの3試合で松島幸太朗、野口竜司らよりもアピールし、レギュラー奪取を頭に描いている。
「もしかしたら、前回のW杯は思いがそこまでじゃなかったのかもしれない。でも今回は違う。今回外れたら、絶対にホッという気持ちにならない」
FBという天職を得て、天賦の才は一層輝く。(倉世古 洋平)
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