【高野進の目】いつもより長かった前傾姿勢…中盤からの修正は素晴らしい

2019年06月09日 05:30

陸上

【高野進の目】いつもより長かった前傾姿勢…中盤からの修正は素晴らしい
高野進氏 Photo By スポニチ
 【サニブラウン 日本新記録9秒97   陸上 全米大学選手権第3日 男子100メートル決勝 ( 2019年6月7日    米テキサス州オースティン )】 追い風0.8メートルというアシストがない状況でも9秒台をマークしたことで、これからも追い風がなくても9秒台を出せるであろうことを証明した。それほどの力がついている。
 準決勝はスタートに失敗しただけに、そこから修正する意識が見られた。優勝したオドゥドゥルと競り合った準決勝のイメージから、序盤を決めれば勝てるという気持ちもあったのだろう。いつもより前傾姿勢が1、2歩長く17、18歩かかっていた。9秒99の時の方がもっと早く体が立ち上がっていい走り方をしていたが、中盤以降にしっかりと修正をして、なおかつ9秒97を出せたことは素晴らしい。

 スタートに気持ちがいき過ぎていたが、まだ20歳の青年。完璧なレースはそうそうできるものではないし、日本新記録と全米学生3位という結果を高く評価したい。これから動きの修正、強化、改良がうまい方向にいけば驚異的な日本記録も期待できる。 (男子400メートル日本記録保持者、92年バルセロナ五輪8位、東海大体育学部教授)

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