51歳“水の女王”成田、万感の6位 27年間の競技人生に幕「凄く幸せでした」
2021年08月31日 05:30
競泳
51歳。96年アトランタ大会を皮切りに東京大会まで6度のパラリンピックに出場した。北京大会後に一時引退したが、13年9月に東京開催が決まった歓喜の瞬間に立ち会う。「あの時は、選手に戻る気持ちはなかった」と笑うが、14年に東京大会の組織委員会理事に就任するとともに現役復帰。16年リオ大会も出るなど、パラで金メダル15個を含む20個のメダルは伝説だ。
下半身まひで中学から車いす生活になり、23歳で知人に誘われて水泳を始めた。実はかなづちだったが、プールに入ると重い下半身が水に浮いた。「凄く自由に思えた」。以来、水泳のとりこだ。昨春の緊急事態宣言下では約2カ月間泳ぐことができず、筋トレの頻度を増やしたり、車いすのかごにダンベルを入れ隣の駅まで往復するなど工夫を凝らして体を鍛えてきた。
今大会は2度の9位で迎えた最後の予選は8位同着。決勝進出へのスイムオフを相手が辞退し、舞い込んだ決勝は27年間の思いをぶつけるように懸命に腕を回し、予選から2秒近くタイムを縮めた。21個目のメダルには届かなかったが「それが最後の最後で良い結果で終わり良かった」と女王の意地を見せた。
泳ぎ終えた成田は今後についての質問に少し考え「まだ何も考えていない。とりあえず明日(31日)退村する」と言った後「その次の日は、また練習場に行ってしまうんだろうな」と笑った。やはり水の女王にはプールが一番似合っている。
◇成田 真由美(なりた・まゆみ)1970年(昭45)8月27日生まれ、神奈川県出身の51歳。横浜サクラ所属。13歳で脊髄炎を発症し両下肢まひとなる。パラは96年アトランタ大会で初出場し、今回で6度目。04年アテネでは7個の金メダルを獲得した。東京大会の招致活動にも携わった。1メートル74、52キロ。
おすすめテーマ
2021年08月31日のニュース
特集
スポーツのランキング
-
大坂なおみ 世界87位を圧倒 開幕日のナイトセッション「名誉なこと」
-
大坂なおみ 連覇へストレート勝ちで初戦突破 観客に感謝「来てくれてありがとう」 全米オープン
-
丸川五輪相、千葉のパラ学校観戦中止に「自治体の判断は尊重すべき」
-
パラ陸上男子1500M 和田伸也、日本新で銀メダル「全部出し切れました」
-
体操・北園丈琉は“かまちょ”? 同僚の橋本大輝に暴露され「一人では寂しかったので」
-
51歳“水の女王”成田、万感の6位 27年間の競技人生に幕「凄く幸せでした」
-
パラ競泳・鈴木孝幸、200M自由形で銀メダル 3色コンプリート
-
パラ競泳・富田、200M個人メドレー銅メダル!今大会2個目
-
パラ競泳・エース木村、今大会初種目で5位 首位ターンも「ダメージ後半に来た」
-
5人制サッカー 新生ボイス・トレーナー「声を武器に」喉に優しい発声習慣化
-
引退宣言の水谷 Tリーグ限定出場へ「スポット的な可能性もある」
-
大坂、精神面解決策は「自分をもっと褒め称える」
-
松山、8年連続最終戦へ進出もグリーン上で苦しむ
-
照ノ富士 自覚の新横綱Vへ「土俵の上でも下でも、尊敬される横綱に」
-
ロゲIOC前会長が死去 79歳 20年五輪開催都市「TOKYO!」を発表
-
埼玉パナソニック、22年1月開幕へ新拠点で始動
-
軽井沢72ゴルフチャレンジ 根本和雄さんが優勝
-
車いすバスケ リオ4位トルコを撃破 メダルへ加速