松山英樹単独インタビュー マスターズ王者の22年初夢は全米プロ、全米&全英OP優勝杯で祝杯

2022年01月02日 05:30

ゴルフ

松山英樹単独インタビュー マスターズ王者の22年初夢は全米プロ、全米&全英OP優勝杯で祝杯
30歳を迎える22年、マスターズ連覇に挑む松山(撮影・沢田 明徳)
 昨年4月のマスターズで日本男子ゴルフ史上初のメジャー制覇を果たした松山英樹(29=LEXUS)が都内で単独インタビューに応じ、さらなるメジャータイトルへの意欲を示した。21年は米ツアー唯一の日本開催となったZOZOチャンピオンシップでも優勝し、日米通算15勝。めざましい活躍を見せた一年を振り返り、2月25日に節目の30歳を迎える新年への意気込みを語った。
 ――2021年はメジャーのマスターズ、ZOZOチャンピオンシップで2勝。どんな一年だった?
 「よかったんじゃないですか。その2つで全てを持って行ったような感じ。本当に悪かったこともあったけど、そこで全部を消化したみたいな」

 ――ツアーだけでなく、昨年8月の東京五輪では自身のコロナ陽性を乗り越えて4位。感動を与えた。
 「金メダルを争えるところまでいったのに、体力が残っていなかったのが一番悔しかった。全力を出したけど…。本当にメダル獲れなくてごめんなさいだけど、もう許してよ、というのはあります」

 ――13年にプロ転向した時から、4大メジャー制覇を目標に掲げてきた。29歳でそれを成し遂げた。
 「早かったと言えば早いし、遅かったと言えば遅い。どっちも感じると言うことは、一番良い時期に勝ったんじゃないかな」

 ――グリーンジャケットはいろんな人に着てもらった?
 「はい。コロナで会えない人もいるので、どうしようかなとは思っているんですけど。みんな“また勝てばいいじゃん”と言ってくれるんですけど、そんな簡単なもんじゃないよ!と思いながら過ごしています(笑い)」

 ――著書「彼方への挑戦」(徳間書店)ではマスターズ制覇後の帰国便でファンのメッセージに涙したと。
 「去年は結構泣いたな。事情があって泣くことも。自分のプレーを見て泣くことは絶対にない。だけど、マスターズ後にはいろんな人が“感動して泣けた”とか。コメントを見ているところでバアって来ました」

 ――プライベートで、例えば映画を見て泣くことは?
 「あまりないです」

 ――それだけ特別。
 「そうですね、勝手に出ていました。“一人で何泣いてるんやろ”と(笑い)」

 ――マスターズ覇者は世界屈指の名門であるオーガスタ・ナショナル(米ジョージア州)の名誉会員。いつでも回れる?
 「そうですね、自分一人だったら回れると思います」

 ――オーガスタ・ナショナルは回りたい?
 「1年に1回でいいです(笑い)マスターズの試合だけで」

 ――2月25日には30歳を迎える。20代最後の一年でもあった。
 「5勝から6勝になるまでに3年8カ月空いた。6勝目を挙げて30代に入りたかった」

 ――30代のイメージは?
 「人と話すときに“もう30だから”と言える。言い訳みたいな?(笑い)それぐらい。もうちょっと変わっていたらなとは思うけど、変わってなさ過ぎて大丈夫かな…」

 ――世界最高峰の米ツアーで活躍して、夢を現実にしている。
 「9年続けて出られているのはうれしい。あと何年続けられるか…。40歳になるまであと10、11年かあ。その時にどう思っているか楽しみ」

 ――メジャータイトルも増やしていく。
 「グリーンジャケットではお酒を飲めないので。他のメジャーだったら、(優勝杯に)入れてお酒飲めるじゃないですか。その約束をした人がいるので、それで飲みたいなと。それは目標ですね」

 ――他のメジャーへの思いも強くなった?
 「そこは今までと変わらず。それを獲ってお酒を飲みたいってことしか考えていないから。そのためにどういうスケジュール組むか。どこに照準を合わせるのか考えないと」

 ――今年はまずは4月のマスターズ。
 「そうですね」

 ――今年は前年優勝者が歴代覇者に夕食を振る舞う伝統の「チャンピオンズディナー」がある。メニューは?
 「勝って次の週にどうしようと。日本だったら寿司かなと思ったけど、嫌いな人がおったらどうしようとか。お肉もおいしいし、でもそれを出して脂っこかったら嫌やなとか。何出せば正解か分かんないやって(笑い)熟考中?そうですね」

 ――改めて、次のターゲットを。
 「やっぱり、早く8勝目を挙げたい。それがKJさん(崔京周=韓国)のアジア最多に並ぶ。丸山(茂樹)さんの3勝抜いて4勝目を挙げた時に、“早くKJさんの記録抜いてくれよ”と言われた。現実として目の前に来ているので」

 《全英の「クラレットジャグ」が有名》男子ゴルフの海外メジャーはマスターズ、全米プロ選手権、全米オープン、全英オープンの4大会。マスターズ以外は毎年会場が替わる。マスターズ優勝者には会場のオーガスタナショナルGCの会員が着用する「グリーンジャケット」やクラブハウスを模したトロフィーなどが贈られる。他のメジャー優勝者にも各大会のトロフィーが贈られ、全米プロ選手権は「ワナメーカー・トロフィー」、全英オープンは「クラレットジャグ」と呼ばれている。

 ▽松山英樹の21年VTR 年明けから一度もトップ10入りがないまま迎えた4月のマスターズで4年ぶりの米ツアー6勝目を挙げた。第3日に65をマークして4打差の首位浮上。最終日は73と落としながら1打差で逃げ切り日本男子初のメジャー制覇を果たした。7月上旬には新型コロナウイルス感染で離脱したが、4週後の東京五輪で復帰。金メダル争いに加わり、銅メダルを懸けたプレーオフに進出し4位と健闘した。10月に千葉・習志野CCで開催されたZOZOチャンピオンシップでは2位に5打差をつける圧勝で米ツアー7勝目を挙げた。

 ◇松山 英樹(まつやま・ひでき)1992年(平4)2月25日生まれ、松山市出身の29歳。4歳でゴルフを始めて高知・明徳義塾高で全国優勝。東北福祉大2年だった11年11月に日本ツアーでアマチュア初優勝。プロ転向した13年に賞金王となり、同年秋から米ツアーに本格参戦して14年に初優勝。昨年4月のマスターズで日本人男子史上初のメジャー制覇。日本ツアー8勝、米ツアー7勝。1メートル81、89・8キロ。

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