かなだい、初日本一で最高のクリスマスイブ 高橋大輔が史上初シングル&アイスダンス2冠

2022年12月25日 04:44

フィギュアスケート

かなだい、初日本一で最高のクリスマスイブ 高橋大輔が史上初シングル&アイスダンス2冠
全日本フィギュアのアイスダンスFDで演技する村元哉中&高橋大輔(撮影・長久保 豊) Photo By スポニチ
 【フィギュアスケート全日本選手権第3日 ( 2022年12月24日    大阪・東和薬品ラクタブドーム )】 アイスダンスのフリーダンス(FD)が行われ、結成3季目の村元哉中(29)、高橋大輔(36)組(関大KFSC)が108・91点をマークし、合計186・61点で初優勝した。世界選手権(来年3月、さいたま市)の2年連続の代表入りが濃厚となった。男子を5度制していた高橋は、史上初となるシングルとアイスダンスの2種目制覇も達成した。女子は坂本花織(22=シスメックス)が貫禄の演技で2連覇を果たした。
 演技を終えた瞬間、高橋は頭を抱えた。「やっちゃったあ…」。そう漏らすと、村元もキスアンドクライで「あー、もったいねー」と率直な思いを吐き出した。残り数秒、フィニッシュ寸前のリフトでバランスを崩し、2人とも転倒。スコアが出て初優勝が決まっても、素直に喜ぶことはできなかった。

 「(優勝は)うれしいけど、最後の最後のミスが残念」と村元が言えば、高橋は「結果は最高だけど、最後のやつ(ミス)にとらわれすぎているので…。今日はやけ酒にしようかな」と苦笑いした。

 高橋がシングル時代にも演じた「オペラ座の怪人」。6位だった11月のNHK杯から修正を加え、高さのあるリフトや息の合ったツイズル(片足での多回転ターン)などで観衆を引き込んだ。納得の演技を続けていたからこそ、失敗を悔しがった。

 ただ、結成3季目にして確実に成長を遂げている。2人を指導するマリナ・ズエワ・コーチは「昨年は美しいだけだったけど、今年は違う。経験を積み重ねて、たくさんのものを得た」と言う。高橋自身、北京五輪シーズンだった昨季終了後に進退を悩みながら、今年6月に現役続行を決意。始動こそ遅れたが、覚悟は本物だった。その結果が史上初のシングル、アイスダンスの2種目制覇となった。

 「自分がシングルをやっていたときに、アイスダンスの表彰台の真ん中に立つとは思ってもいなかった。いいクリスマスになった」

 全日本の頂点に立ったことで、25日に発表される世界選手権の代表はほぼ確実。昨季は16位に終わった大舞台で、進化した“かなだい”が今度こそ世界を魅了する。

 【かなだいの歩み】☆結成 19年9月、日本スケート連盟が高橋のアイスダンス転向を電撃発表。村元とカップルを結成し、20年1月から米フロリダ州へ拠点を移すことになった。

 ☆結成シーズン コロナ禍で国内選手のみの変則開催となった20年11月のNHK杯で公式戦デビュー。RD2位、ミスの出たFDで3位。合計157.25点で3位だった。12月に全日本選手権に出場。公式練習で村元が左膝を負傷しながら2位に入った。

 ☆五輪落選 北京五輪出場を目指した2季目は日本歴代最高得点を出すなど好調。21年12月の五輪最終選考会、全日本選手権で2位。優勝の小松原組と4項目の選考基準を2項目ずつ分け合う形だったが、五輪切符を逃した。今年3月の世界選手権は初出場で16位だった。

 ☆初優勝 3季目の今季はFDで高橋がシングル時代にも演じた「オペラ座の怪人」に挑戦。GPシリーズ2試合に出場し、10月のスケートアメリカ、11月のNHK杯ともに6位。デニス・テン記念チャレンジで国際大会初優勝を果たした。

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