【玉ノ井親方 視点】貴景勝の好調の要因は“足元” 阿炎の勢い止める価値ある白星

2023年01月13日 20:22

相撲

【玉ノ井親方 視点】貴景勝の好調の要因は“足元” 阿炎の勢い止める価値ある白星
<大相撲初場所6日目>阿炎(右)を押し出しで下した貴景勝(撮影・島崎 忠彦) Photo By スポニチ
 【大相撲初場所6日目   ○貴景勝(押し出し)阿炎● ( 2023年1月13日    両国国技館 )】 貴景勝の好調の要因は“足元”にある。悪い時は立ち合いで当たった後に足が前に出ない。出ないというのは言い過ぎかもしれないが、出ても歩幅が小さく右、左と二歩ほど出ておしまい。それでは、足がそろってバランスが悪くなる。
 しかし今場所は右、左、右、左、右、左と足が続いて前に出る。もともと重心が低く、押す力があるので相手は前に出てこられると、下から押し上げられるような形になって重心が浮く。

 阿炎戦はまさにそういう相撲だった。

 当たってすぐに阿炎に右喉輪で上半身をのけぞらされたが、左でいなすようにかわした。この場面で良かったのは、全力でいなさず、余力を残す形でいなし気味にいったことだ。

 貴景勝スペシャルともいえる左からのいなしは勢いがつきすぎると、自分の体が半身になってしまう。そうなると体勢を立て直すために間が必要になる。だがこの日はあえて全力でいかなかったため、正面を向いたままの状態をキープできた。だからすぐに足を前に出せたし、下から押し上げる形で阿炎の体を浮かせた。よく考えた取口だった。

 いつもは重さと力強さを出すために体をパンパンに大きくして場所を迎えている印象だが、今場所はそれを抑えているようだ。重さよりも動きやすさを優先したことで、足がよく前に出るようになったのではないか。

 阿炎戦はこれまで分が悪かった。通算成績は2勝5敗。先場所は優勝決定戦で一方的に押し出され、それを含めれば5連敗中だった。

 この日も勝てなければ、阿炎の2場所連続優勝に勢いをつけさせるところだっただけに、価値ある白星といえるだろう。

 横綱不在の今場所。一人大関の責任感を持って優勝争いを引っ張っていってくれそうだ。

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