ヒート驚異の粘り 第8シードが第1シードを倒したのは史上6回目 4Q終了直前に鮮やかな同点プレー
2023年04月27日 14:30
バスケット
第3Q終了時点で16点差のビハインドとなっていたが、ヒートは残り2分11秒と1分41秒に2度同点。116―117で迎えた残り6秒にバックスのドリュー・ホリデー(32)にフリースロー(FT)2本を与えてしまったが、ホリデーが1本目をミスしたために3点シュート以外のシュートでも追いつけるチャンスを得ていた。
この土壇場でこの日42得点を挙げたジミー・バトラー(33)が巧みなフォーメーションからアクロバティックなシュートを成功させた。右のベースライン際に立ったバトラーは左のベースライン際にいたマックス・ストルース(27)をスクリーンにして巻くようにいったんトップに上がると見せかけて元の位置にUターン。そこにサイドラインにいたゲイブ・ビンセント(26)によるスローインがダイレクトに届き、バトラーはゴール下で後方に態勢を崩しながらも空中でキャッチするのと同時にシュートを放って起死回生の同点シュートをねじこんだ。
バックスはホリデー以外にパット・コナートン(30)もバトラーをマークしていたが、残り0・5秒で試合は振り出しに戻った。
24日の第4戦でプレーオフ歴代4位で自己最多の56得点をマークしていたバトラーは2試合連続の大殊勲。あまりに衝撃的なプレーだったのか?残り時間が0・5秒あったにもかかわらずバックスのマイク・ブデンホルザー監督(53)はタイムアウトを求めておらず、ヒートのエリック・スポールストラ監督(52)が指揮官同士の頭脳&心理戦でも制した形となった。ヒートはすでにタイラー・ヒーロ(23)とビクター・オラディーポ(30)が故障で今季の出場は絶望。ケビン・ラブ(34)は第4Qの終盤、カイル・ラウリー(37)とバム・アデバイヨ(25)は延長で6反則で退場になってしまうなど戦力的に“マイナス部分”の多い試合でもあったが、バトラーの奮闘と戦略面での優位が加わって見事なシリーズ制覇を達成した。
敗れたバックスではヤニス・アデトクンボ(28)が38得点と20リバウンドをマークしたものの、今季の成功率が64・5%だったFTを23本中13本も失敗。ターンオーバーも7回喫するなど、チームをけん引することはできなかった。クリス・ミドルトン(31)は33得点、ブルック・ロペス(35)は18得点、10リバウンド、ホリデーは16得点、9リバウンド、6アシストをマークしたものの、チーム全体で17本も外したFT(試投45本)が重くのしかかった試合となった。
東の第5シード、ニックスは敵地クリーブランド(オハイオ州)で第4シードのキャバリアーズを106―95(前半61―51)で退けて4勝1敗。キャバリアーズとプレーオフで対戦するのはこれが通算4回目だが、すべて勝者となって10年ぶりに地区準決勝シリーズに駒を進めた。
昨季の王者で西の第6シードとなっているウォリアーズは敵地サクラメント(カリフォルニア州)で第3シードのキングスに123―116(前半60―56)で勝って3勝2敗。今季のロードの成績はプレーオフに進出した全16チーム中のワーストとなる11勝30敗だったが、苦手のロードでのゲームを制して2年連続の1回戦突破に王手をかけた。
ステフィン・カリー(35)は3点シュートこそ10本中2本の成功に終わったが、それでも31得点。プレーオフ通算得点は3727となり、マジック・ジョンソン(元レイカーズ=3701)を抜いて歴代5位に順位を上げている。
なお26日終了時点で1回戦突破を決めたのは東地区が第3シードの76ers、第5シードのニックス、さらに第8シードのヒートの3チーム。ニックスはヒートとの対戦が決まっている。また西地区では第1シードのナゲッツと第4シードのサンズが勝ち進んでおり、この2チームは地区準決勝で顔を合わせる。
<26日の結果>
▼東地区1回戦
(8)ヒート(4勝1敗)128―126(延長)(1)*バックス(1勝4敗)
(5)ニックス(4勝1敗)106―95(4)*キャバリアーズ(1勝4敗)
▼西地区1回戦
(2)*グリズリーズ(2勝3敗)116―99(7)レイカーズ(3勝2敗)
(6)ウォリアーズ(3勝2敗)123―116(3)*キングス(2勝3敗)
*はホームチーム
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