番狂わせ頻発の卓球五輪選考会 過密日程との因果関係は
2023年05月06日 20:38
卓球
今大会の波乱の遠因になっているとみられるのが、ランキング下位の選手や若手の台頭はさることながら、トップ選手にとっては厳しい過密日程だ。日本協会はパリ五輪に向けて独自の選考システムを導入。順位ポイントが付与される選考会や全日本選手権に加え、トップ選手は世界ランキングを上げるために国際大会にも出場するため、過密日程を強いられている。
2回戦で長崎美柚(木下グループ)に敗れた伊藤は、1月の全日本選手権ごろから腰や臀部(でんぶ)の痛みを抱えていたといい、「体で100%ではなかった」と話す。ランキング6位の長崎には昨年3月の第1回選考会でも敗れており、決して体調だけが敗因ではないものの、「(体調は)30~40%だった。大事な大会だと分かっていたが、無理はしなかった」と苦しい胸の内を明かした。20日開幕の世界選手権(南アフリカ・ダーバン)前に病院で検査を受ける予定としたが、逆にこの4カ月間は検査を受ける余裕がなかった事実も浮き彫りとなった。
1月の全日本選手権では3冠を達成し、この日も3試合を勝ちきった早田は、「選考会の2回戦であんなに競ったのは記憶にない。ほぼ負けかけた」と最終ゲームで7―10とマッチポイントを握られながらも17―15で逆転した一戦を振り返り、「(体力的に)本当に死にそうだったが、死んでなくて良かった」と笑いに変えながらも現況を吐露する。一方で「自分の卓球人生の経験として積んでいかないといけない」とも。
来年1月の全日本選手権まで続く選考レース。強くたくましくなり代表権を勝ち取るか、はたまた心身を擦り減らされて脱落するか。パリを目指す選手たちにとっては、ライバルはもちろん、自分との闘いとも向き合う残り7カ月間となりそうだ。
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