【豊山断髪式】今後は土俵付きのジムを作る!?「相撲に恩返し」一般人向けの四股指導で普及に尽力

2023年06月25日 17:36

相撲

【豊山断髪式】今後は土俵付きのジムを作る!?「相撲に恩返し」一般人向けの四股指導で普及に尽力
整髪を終え、息子を抱いて家族で記念撮影に収まる元幕内・豊山の小柳亮太氏(撮影・前川 晋作) Photo By スポニチ
 昨年九州場所限りで現役を引退した大相撲の元幕内・豊山の小柳亮太氏(29)が25日、東京・両国国技館で断髪式を行った。東農大の先輩で時津風部屋の兄弟子でもある小結・正代(31)ら約430人が出席。最後に師匠の時津風親方(元幕内・土佐豊)が止めばさみを入れ、大銀杏(おおいちょう)に別れを告げた。
 名古屋場所(7月9日初日、愛知・ドルフィンズアリーナ)番付発表前日でほとんどの力士が名古屋入りしている中、関取衆も多数駆けつけた。金沢学院東高(現・金沢学院大附属高)や東農大の相撲部でともに汗を流した同期、先輩後輩、監督らも出席。多くの関係者に見守られて気持ちは高ぶっていき、両親からはさみを入れてもらった時には涙があふれた。「やりたいことをやらせてくれて、いろいろ苦労をかけたこともあったのでいろんな感情があった涙でした」

 現役引退から半年、180キロあった体重は130キロまで落ちた。「スポーツ栄養学も勉強していたので、どうやったら最短で痩せられるかを考えた。最終的には90キロを切りたい」。2日に1回は10キロのランニングを行うなど運動に励んでおり、来年3月の東京マラソン出場を目指しているという。

 今年4月には、東京・秋葉原に「パーソナルジムOYG」をオープン。相撲パーソナルトレーナーとして、相撲の要素を取り入れたメニューでトレーニングを指導している。「普通の人はなかなか四股踏めないと思うので、最終的には四股をきれいに踏めるようにいろんな部位をトレーニングしてもらう」と、トレーニングを通して四股を多くの人に広めていく考えを示した。

 次なる目標は、土俵付きのジムを都内に作ること。「四方に器具があって真ん中に土俵。ボクシングジムの相撲版みたいな」。老若男女誰でも気軽に相撲に親しめるよう、まわしはつけずにマット土俵を使用する構想を練っている。「6歳の時から相撲をやって相撲に生かされてここまで来たので、相撲に恩返しがしたい。いろんな人を巻き込んで、相撲を認知している人全員が好きになれるような環境をつくりたい」。競技として本格的に取り組む人を対象とした指導ではなく、一般人向けの幅広い相撲の普及に尽力していく。「ラジオ体操みたいな感覚で全員が四股踏めるようになるのが目標」。相撲を愛する29歳の元幕内力士は、大きな野望と新たな夢に向かい、第二の人生を力強く歩み始めている。

 ◇豊山 亮太(ゆたかやま・りょうた)本名=小柳亮太。1993年(平5)9月22日生まれ、新潟県北区出身の29歳。豊栄相撲教室で6歳の頃から相撲を始め、小5でわんぱく相撲全国大会3位。石川・金沢学院東高(現・金沢学院大附属高)3年時に全国高校総体8強。東京農業大2年時に全国学生選手権準優勝。3年時に全国選抜大学実業団対抗和歌山大会優勝、世界選手権団体優勝。4年時に東日本学生選手権優勝、全日本大学選抜十和田大会優勝、世界選手権重量級優勝、全国学生体重別無差別級優勝、全日本選手権8強。大学卒業後、時津風部屋に入門。16年春場所、新設された三段目100枚目格付け出しで初土俵。同場所で三段目優勝。翌夏場所で幕下優勝。同年九州場所で新十両。17年夏場所で新入幕を機に本名の「小柳」から改名。時津風部屋伝統の「豊山」を3代目として襲名した。18年名古屋場所で12勝を挙げて敢闘賞を受賞。最高位は西前頭筆頭(20年7月場所)。幕内在位26場所。幕内成績165勝215敗10休。通算成績277勝281敗10休。引退後はパーソナルトレーナーに転身。今年4月、秋葉原に「パーソナルジムOYG」をオープンさせた。

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