【世界陸上】91年ぶり「暁の超特急」に並ぶも…サニブラ 男子100メートル6位「めちゃくちゃ悔しい」
2023年08月22日 03:00
陸上
2年連続の決勝舞台。「気持ちにかなり余裕を持って挑めた」というが、世界の表彰台との差は、号砲の瞬間から感じた。スタートの反応時間は8人中7番目。準決勝で見せた力強い伸びも欠いた。「(準決勝、決勝と)そろえてくる人たちがメダルを獲るし、勝つんだなと今年も再確認した」。世界トップの猛者たちに太刀打ちできなかった。
分厚い壁にはじき返されたが、確かな成長の跡があった。準決勝はスタートから飛び出し、自己タイ記録の9秒97で1組2着の着順通過。タイムで拾われた前回とは違い「(進出確定まで待機する)ざんげ室に行かなくて良かった」と笑い「去年より1ステップ上がった」と手応えを口にする。
ピーキングもあくまで世界舞台が基準だった。6月上旬の日本選手権では8位に沈んだ。スロースタートぶりに周囲は慌てたが、本人は「コーチを信じてしっかり練習していただけ」と言う。3カ所のヘルニアに苦しんだ東京五輪の後、ドイツ・ライプチヒの名医を訪ねた。専属の管理栄養士をつけ、ベッドを病院で使うような可動式に変更。今季に向けた冬季練習もみっちり消化できたことで、焦りはなかった。
昨年のオレゴンで世界の頂上決戦を体感し、ブダペストでその常連へ格上げとなった。「(9秒)9前半、8は出る」と、日本記録9秒95の更新はあくまで通過点。可能性は無限に広がる。「メダルは手に届きそうなところに来ている。もうそろそろつかみたい」。夢の祭典まで、あと1年。24歳のスプリンターの物語は、花の都へと続く。
▽パリ五輪への道 マラソン、競歩を除くトラック&フィールド種目は既に有効期間に入った参加標準記録突破が第一条件。その上で(1)今大会3位以内の日本人最上位は代表に即決定(2)今大会8位以内の入賞者の日本人最上位は、24年1~6月の期間に参加標準を突破すれば内定(男女5000、1万メートルは23年11月から)。(1)(2)で該当者がいない場合は来年の日本選手権の結果を基に選考。サニブラウンは今大会で参加標準記録10秒00を突破。(2)のケースで来年1月以降にもう一度突破すれば内定となる。
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