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三段目・藤健勝(勝呂)が引退 網膜剥離の手術5回…入門から2年で無念のドクターストップ

2023年09月27日 11:01

相撲

三段目・藤健勝(勝呂)が引退 網膜剥離の手術5回…入門から2年で無念のドクターストップ
藤島部屋の藤健勝(23年3月撮影) Photo By スポニチ
 日本相撲協会は27日、秋場所限りで引退した力士17人を発表した。
 西三段目62枚目の藤健勝(26=藤島部屋)は、名古屋場所まで本名である「勝呂」のしこ名で土俵に上がっていた。左目の網膜剥離と闘い、ここ1年半の間に5度の手術を受けたが、無念のドクターストップとなった。

 勝呂は拓大4年時に全日本選手権3位の実績を残して三段目付け出し資格を獲得。卒業後は角界に進まず、実業団相撲の強豪・日本通運に就職。しかし、コロナ禍で社会人の大会が全て中止となったため、相撲ができる環境を求めて角界入りを決意。入社から1年半で退社し、付け出し資格の有効期限ギリギリとなる21年九州場所で初土俵を踏んだ。

 三段目を3場所で通過し、幕下に番付を上げた昨年の夏場所前に左目の網膜剥離を患って手術。全休して三段目に落ちた名古屋場所では、復帰したばかりの朝乃山(現・幕内)を土俵際まで追い詰めるなど存在感を示した。その後、再び網膜剥離の症状が出て翌秋場所から3場所連続で全休。その間に3度の手術を受けた。

 今年の春場所で序二段から復帰。「頭でかまして前に出ることしかやってきてないので、それに対する恐怖心は全くない」と、小学生の頃から貫いてきたスタイルを変えず、激しい立ち合いからの押し相撲に徹した。復帰場所を序二段優勝、翌夏場所は三段目で勝ち越しと順調に番付を戻していったが、名古屋場所中にまたまた左目を負傷。通算5度目の手術を受け、ついにドクターストップ。「頭でかます相撲が取れないなら…」と決断に至った。

 幕下在位は2場所だがいずれも全休だったため、幕下力士として土俵に上がることは一度もなかった。また、16年から新設された三段目付け出し力士としては初めて、関取に昇進することなく引退となった。


 ◇藤健勝 歩紀(ふじけんしょう・いぶき)本名=勝呂歩紀。1997年(平9)4月9日生まれ、埼玉県上尾市出身の26歳。さいたま相撲クラブで小5から相撲を始め、中3で白鵬杯3位。東京・明大中野高3年時に国体16強。拓大3年時に全国学生選手権8強、4年時に全日本大学選抜金沢大会3位、東日本学生体重別135キロ以上級準優勝、全国学生選手権8強、全日本選手権3位。卒業後は日本通運に就職も1年半で退職し、藤島部屋に入門。21年九州場所で三段目付け出しデビュー。23年春場所で序二段優勝。最高位は西幕下50枚目(22年秋場所)。1メートル69、145キロ。

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