現役復帰のフィギュア織田信成 観客から引き出したい「マジで?」の言葉

2023年09月27日 07:00

フィギュアスケート

現役復帰のフィギュア織田信成 観客から引き出したい「マジで?」の言葉
織田信成
 【オリンピアンロードの歩き方】五輪に絡むアスリートや関係者を取り上げるコラムの今回は、フィギュアスケート男子で10年バンクーバー五輪7位の織田信成(36=大阪スケート倶楽部)。昨年11月に現役復帰を表明し、今季の目標に掲げるのが全日本選手権出場。取り戻した4回転ジャンプなどを武器に、10年前を最後に遠ざかっている大舞台を目指す。
 オリンピアンロードを歩んできた36歳が、新たな挑戦に臨もうとしている。各地でフィギュアスケートのブロック大会が始まる中、今月29日に競技が始まる近畿選手権(木下カンセーアイスアリーナ)にエントリーしているのが織田。今季初戦となった8月26日の全大阪2選手権では、回転不足とはなったものの4回転トーループを披露し、友野一希(上野芝ク)に次ぐ2位となった。

 「昨シーズンに復帰して、4回転を跳べなかったのが心残りで。オフから主に瞬発的な力を鍛えてきた。年齢を重ねると衰えてくる部分なので自分なりに試行錯誤しながらやってきた」

 昨年、アイスショーに出演した際に「トリプルアクセルを跳ぶのがやっとな感じ。このままじゃあかん」という感情が芽生え、9年ぶりの現役復帰を決断。体力を戻すことに重点を置いた昨季から進み、今季は大技を取り戻そうと励んできた。オフは週末にアイスショーが続く中でも、休むことなく週初めから競技のトレーニングを消化してきた。

 「復帰した理由が、自分のスケーターとしての矜持(きょうじ)、誇りを取り戻したいから」。その思いが、引退前に跳んでいた4回転トーループの再習得につながった。SPは、宮本賢二氏が振り付けをした「白い雲」。フリーは、ブノワ・リショー氏が振り付けをした「エンジェルズ」。2つの新たなプログラムとともに挑む今季、自分に課していることがある。

 「この年で復帰したからには、復帰するだけじゃなく、僕のことを全く知らない人でも“だから復帰したんや”って思ってもらえるような演技をしたい。お客さんの中から“あの人、36歳らしいで”“マジで?”みたいな会話が生まれたらいいなと思っている」

 近畿選手権から勝ち上がっていけば、12月の全日本選手権に出場できる。その過程では「僕が現役引退した時のマックス」だったという4回転2本の構成にも取り組もうとしている。「得意」と語るジャンプ、そして大人の表現力を持ち味に、年が離れた選手たちと競い合っていく。

 ◇織田 信成(おだ・のぶなり)1987年(昭62)3月25日生まれ、大阪府高槻市出身の36歳。7歳で競技を始め、06年に四大陸選手権優勝、08年に全日本選手権優勝。10年バンクーバー五輪7位入賞。13年の全日本選手権後に引退を表明し、昨年11月に現役復帰。1メートル64。

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