【ラグビーW杯】砂村光信氏 勝敗分けた“キックの能力”の差

2023年10月09日 04:45

ラグビー

【ラグビーW杯】砂村光信氏 勝敗分けた“キックの能力”の差
<日本・アルゼンチン>後半、フィフィタ(左)がハイボールを競り合うが捕り切れず(撮影・篠原岳夫) Photo By スポニチ
 【ラグビーW杯フランス大会1次リーグD組   日本27―39アルゼンチン ( 2023年10月8日    ナント )】 【砂村光信氏 視点】選手もコーチも負けるために戦っているわけではない。だが、日本のキックの使い方はW杯で勝てるレベルかと問われたら、世界基準に達していなかったと言わざるを得ない。狙った場所に落とせないキックがあまりにも多く、キックを再びマイボールにするためにキャッチしにいく選手もほとんどいなかった。アルゼンチン戦でも勝敗を分けた部分だ。
 アルゼンチンの5トライのうち4トライを挙げた両WTB、M・カレーラスもボフェリも決定力だけではなく「蹴る」「キャッチする」をハイレベルでできる選手。日本のフィフィタやナイカブラは速くて強いが、バランスを崩しても蹴ったりキャッチができる“キック能力”では世界的WTBとの差は明らかだった。北半球6カ国対抗やスーパーラグビーではあらゆる局面で多彩なキックが使われており、キック戦術の進化が止まらない一方、日本は一時代遅れている印象すらある。

 今大会の一番の収穫はスクラムの安定感だろう。アルゼンチン戦でもラブスカフニがシンビンの間にフィフィタをフランカーに入れても押されなかった。ただ、主力メンバーは4年前から変わっておらず、特にプロップは次世代の育成が急務。元々選手層が薄く、今回はFW第3列が本職のコーネルセンとファカタヴァを起用したロックとともに、計画的に国際試合の経験を積ませる必要がある。(元U―23日本代表監督)

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