【ラグビーW杯】松田「壁乗り越えたい」キック成功率95%も海外大会初8強逃し司令塔の責任感

2023年10月09日 04:45

ラグビー

【ラグビーW杯】松田「壁乗り越えたい」キック成功率95%も海外大会初8強逃し司令塔の責任感
<日本・アルゼンチン>前半、ゴールを決める松田(撮影・篠原岳夫) Photo By スポニチ
 【ラグビーW杯フランス大会1次リーグD組   日本27―39アルゼンチン ( 2023年10月8日    ナント )】 司令塔として、敗戦の責任を全て背負った。夢にまで見た、W杯での先発出場。全4試合で10番を背負い、キッカーとしては20本中19本を決めても、チームを決勝トーナメントに導けなかった。SO松田は試合を終えた瞬間から号泣。「勝って恩返しをしたかった。申し訳なく思う。本当にプライドを持ってやってきたし、いい準備をしてきたが、結果が出なかった」と声を震わせた。
 初選出された前回大会は、絶対的司令塔として君臨した田村優の陰に隠れ、全5試合でリザーブ。その悔しさを原動力に、この4年間を歩んできた。だが昨年5月、リーグワンの試合中に左膝の前十字じん帯を断裂。絶望的な状況に追い込まれた。そんな時も、原動力となったのが、19年に味わった屈辱。厳しいリハビリを乗り越え、故障前よりフィジカルは強くなって復帰した。

 だが大会前は絶不調。後輩の李承信との10番争いは劣勢だった。そんな時に手を差し伸べてくれたのが、リハビリ中もマンツーマンで指導してくれたアスレチックトレーナーの佐藤義人氏だ。大会中もフランスに常駐してくれた頼れる師に「スランプになってます。助けてください」と電話。本番直前にキックフォームに手をつける大きな賭けに出たが、成功率95%をマークするまでに復活。キックの復調はリード面での自信ももたらし、堂々とタクトを振り続けた。

 選手として脂の乗った29歳で迎えたW杯は終わった。だが何よりも経験値がものを言う司令塔として、4試合を戦い得た財産を、4年後に結びつける責任が、松田にはある。「次の4年へしっかり準備をして、この壁を乗り越えたい」。この悔しさは、27年のオーストラリアで晴らす。そう決意して、新たな一歩を踏み出す。

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