大の里 110年ぶり新入幕Vへ電車道 石川の星対決「雲の上の存在」遠藤を圧倒し7勝目

2024年01月22日 04:30

相撲

大の里 110年ぶり新入幕Vへ電車道 石川の星対決「雲の上の存在」遠藤を圧倒し7勝目
遠藤(右)を押し出しで破る大の里(撮影・沢田 明徳) Photo By スポニチ
 【大相撲初場所8日目 ( 2024年1月21日    両国国技館 )】 新入幕・大の里が、同じ石川県出身の遠藤を破って7勝目を挙げた。ともに幕下10枚目格付け出しでデビューした元アマチュア横綱で共通項の多い同郷の大先輩を圧倒し、勝ち越しに王手、1914年夏場所の両国以来110年ぶりとなる新入幕Vも見えてきた。全勝だった平幕・朝乃山は玉鷲に敗れて初黒星。1敗を守った関脇・琴ノ若、平幕・阿武咲、大の里と4人が首位に並んだ。綱獲りの霧島は2敗目を喫した。
 大の里のすさまじい馬力に、場内は歓声ではなくどよめきに包まれた。立ち合い強烈なもろ手突きで吹っ飛ばし、そのまま前に出て電車道。「まわしを取らせたらうまいし強い。技術で勝負したら絶対勝てない」。相撲巧者の遠藤に何もさせず、パワーで圧倒した。

 破壊力抜群の立ち合いは学生時代から際立っていたが、プロ入り後さらに進化。師匠の二所ノ関親方(元横綱・稀勢の里)と本気でぶつかり合う“立ち合い勝負”の稽古を昨年の名古屋場所前から行ってきた。元横綱の圧力は現役引退から約5年たっても健在で、まだまだ簡単には勝てないという。「口では伝えられないような衝撃を感じられる。良い経験をさせてもらっています」。体を使って教え込んだ師匠は「自分の力を伝える立ち合いができるようになってきた」と愛弟子の成長を評価した。

 遠藤は、大の里よりも1場所早く昭和以降最速の所要3場所で新入幕を果たし、憧れの存在だった。「テレビで見て凄いと思っていた。石川県が盛り上がっていた」。13年秋場所の“ざんばら旋風”で地元のスター誕生に沸いたことは、当時13歳だった大の里の脳裏にも焼き付いていた。

 「今も雲の上の存在」と尊敬する同郷の大先輩を撃破。1日に起きた能登半島地震の被災地へ、元気を届ける一番にもなったはずだ。全勝の朝乃山が敗れたことで首位に浮上。1914年夏場所の両国以来、実に110年ぶりの新入幕優勝も視界に入ってきた。23歳の勢いも立ち合いのスピードも、ここからさらに加速する。

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