新大関・琴ノ若は夏場所から「琴桜」襲名へ「1場所だけでもこの名前で…」込められた双方への敬意

2024年01月31日 14:49

相撲

新大関・琴ノ若は夏場所から「琴桜」襲名へ「1場所だけでもこの名前で…」込められた双方への敬意
祖父で先代佐渡ケ嶽親方の元横綱琴桜の遺影の前で、大関昇進の口上を述べる琴ノ若(中)。右は父の佐渡ケ嶽親方 Photo By 代表撮影
 日本相撲協会は31日、東京・両国国技館で臨時理事会を開き、初場所で13勝を挙げて優勝決定戦に進出し直近3場所合計33勝を挙げた琴ノ若(26=佐渡ケ嶽部屋)の大関昇進を満場一致で決定した。
 琴ノ若はこの日、千葉県松戸市の佐渡ケ嶽部屋で行われた大関昇進伝達式で「謹んでお受けいたします。大関の名に恥じぬよう感謝の気持ちを持って相撲道に精進して参ります」と口上を述べた。

 その後の会見では、最大の注目点となっていたしこ名についても言及。「琴ノ若で新大関の場所を取らせていただこうと思っています」と改名せずに春場所へ臨むことを宣言した。千秋楽から一夜明けた29日にその思いを固め、30日に父で師匠の佐渡ケ嶽親方(元関脇・琴ノ若)と相談。約30分話し合い、結論に至った。

 もともとは「大関昇進で琴桜襲名」が既定路線だった。小学校2年生の頃、祖父で先代師匠の元横綱・琴桜と交わした約束である。その気持ちは、昨年秋場所で新関脇に昇進した頃から徐々に変化。「この名前を自分のものにしたい」「師匠を超えたい」「この名前で大関に上がりたい」という思いが強くなった。

 「1場所だけでもこの名前で土俵に上がりたい」と新大関場所は「琴ノ若」で臨む。「先代に言っていただいた条件を達成できたので、1場所しっかり取ってから琴桜を継がせていただこうと思っています」。横綱・琴桜が現役最後の場所となった1974年夏場所からちょうど50年後にあたる今年の夏場所から、「大関・琴桜」を復活させるつもりだ。

 師匠は「先代との約束を守ったんだからいいぞ」と琴桜襲名も勧めたが、本人の意志を尊重。「私が関脇だったので、大関まで上げていただいて師匠としても親としても感謝ですね」と自身の最高位を超えた息子を称え、目を細めた。

 琴ノ若か琴桜か。最終的に決めたのは、見事に大関昇進の夢をかなえた琴ノ若本人だった。「4年以上このしこ名で取らせていただいているので、悩んだんですけど一段上がってこの名前を刻むことも大事かなと思い、こういう決断になりました」。父・琴ノ若と祖父・琴桜の双方への、感謝と敬意が込められた決断だった。

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