元幕下・羅王が引退 爆羅騎と兄弟力士として話題「いろんな人に巡り会えた」今後は介護職へ

2024年01月31日 18:50

相撲

元幕下・羅王が引退 爆羅騎と兄弟力士として話題「いろんな人に巡り会えた」今後は介護職へ
九州場所14日目、最後の相撲を取り終えた羅王(左)と弟の爆羅騎(撮影・前川 晋作) Photo By スポニチ
 日本相撲協会は31日、初場所限りで引退した力士を発表した。既に発表されている元幕内・東龍(36=玉ノ井部屋)と元十両・千代嵐(32=九重部屋)の他に、幕下以下15人の引退が新たに発表された。
 東三段目75枚目の羅王(30=立浪部屋)は昨年九州場所を2勝5敗で取り終えて13年間の力士人生の幕を閉じた。初場所は全休し、この日正式に引退が発表された。

 埼玉県所沢市出身の羅王は、福岡・希望が丘高を経て11年初場所で初土俵。弟の爆羅騎(ばらき、29=式秀部屋)も2年後に角界入りし、ともに本名の下の名をしこ名にした兄弟力士として注目を集めた。

 かつて幕下中位まで番付を上げたこともある羅王は、右肘の故障などもあってここ1年は思うような相撲が取れず、昨年8月に引退を決断。師匠の立浪親方(元小結・旭豊)に相談し、高校時代を過ごした福岡の地を「ここでやり遂げたい」と最後の場所に選んだ。九州場所は、最後の勇姿を見届けるために多くの関係者が応援に訪れたという。最後の一番となった14日目、惜しくも白星で飾れず「寂しい気持ちでいっぱい」とコメント。取組を終えた花道では部屋の力士たちと弟の爆羅騎に出迎えられた。

 13年間の力士生活で「いろんな人に巡り会えたのが一番」と振り返った。入門が1場所違いで年も近い横綱・照ノ富士(32=伊勢ケ浜部屋)とは相撲教習所へ一緒に通った仲で「よく稽古したり話したりしていた」という。また、18年名古屋場所では右肘の手術による休場明けで序二段優勝を果たし「復帰してすぐ優勝できてうれしかった」と回顧した。

 小5から21年間続けてきた相撲に別れを告げ「寂しい気持ちでいっぱいです」としみじみ。今後は、名古屋市内で介護士の資格取得を目指しながら勤める予定。優しい性格が合う職ということで、後援会関係者から勧められた。

 弟の爆羅騎は九州場所、東序二段筆頭で4勝3敗の勝ち越し。「兄が最後の場所なので、勝ち越せてよかった」。爆羅騎は九州場所千秋楽の夜、所属する式秀部屋と羅王が所属する立浪部屋の両師匠の粋な計らいにより、立浪部屋のパーティーに出席。兄の断髪式ではさみを入れた。爆羅騎にとって一番の思い出は、17年8月の夏巡業所沢場所。三段目トーナメントの決勝で地元出身の兄弟対決となったことを振り返り「自分が勝ちました」と笑った。

 羅王は九州場所で、部屋の幕内・明生(28)の付け人を務めた。初土俵が1場所違いの明生は「入門した時から助け合って助けられてきた。一緒に入った人たちがどんどんいなくなっていく寂しさもあり、その分自分も頑張ろうという気持ちになる」と話し、兄弟子との別れを惜しんだ。

 ◇羅王 希望(らおう・のぞむ)本名=伊藤羅王。1993年(平5)3月30日生まれ、埼玉県所沢市出身の30歳。入間少年相撲クラブで小5から相撲を始め、中学卒業後は福岡・希望が丘高に相撲留学。立浪部屋に入門し、11年初場所「羅王丸」のしこ名で初土俵。15年初場所から「羅王」に改名。同年九州場所で幕下に昇進。18年2月に右肘を手術。2場所連続全休を経て同年名古屋場所で復帰し、同場所で序二段優勝。通算成績263勝247敗15休。最高位は東幕下37枚目(16年秋場所)。1メートル71、109キロ。

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