大鵬、貴闘力に続き…王鵬 史上初親子3代で金星 初挑戦で横綱下す

2024年03月15日 04:45

相撲

大鵬、貴闘力に続き…王鵬 史上初親子3代で金星 初挑戦で横綱下す
照ノ富士(右)を攻める王鵬 Photo By 共同
 【大相撲春場所5日目 ( 2024年3月14日    エディオンアリーナ大阪 )】 横綱初挑戦の平幕・王鵬が照ノ富士を寄り切り、初金星を挙げた。祖父の元横綱・大鵬、父の元関脇・貴闘力に続き、史上初となる3代での金星獲得となり、2勝3敗とした。大関・霧島が明生をはたき込んで初白星。小結・阿炎と平幕・大の里、新入幕・尊富士が勝ちっ放しで、1敗は大関・豊昇龍ら4人となった。
 王鵬は無心で土俵に立った。照ノ富士を左喉輪でのけ反らせ、右差しから寄り切る完勝。「立ち合いから覚えてない。それだけ集中していたのだと思う」と振り返った。

 「自信はなかった。やれることをやって通用しなければ仕方ないと思っていった」。照ノ富士と肌を合わせるのは巡業、出稽古先でもなかったという。手合わせの指名権は番付上位の照ノ富士にあるためマークされていなかったとも言える。「凄い気分がいい」と言葉に実感がこもった。

 祖父が優勝32回の元横綱・大鵬、父は元関脇・貴闘力と相撲エリート一家に生まれた。東前頭3枚目の今場所が自己最高位と出世の足取りは期待ほど早くはなかったが、最近は意識に変化が表れていた。場所前は佐渡ケ嶽部屋に出向いて新大関・琴ノ若らの胸を借りており、師匠の大嶽親方(元十両・大竜)は「最近は何も言わなくても、本人から出稽古に行くと言うようになった」と明かす。地道な努力を積み重ねて史上初の3代金星をつかんだ。

 横綱初挑戦での金星は19年名古屋場所の友風以来。歴代10位タイの9個の金星を挙げた父・貴闘力は、初挑戦の90年九州場所3日目に大乃国から獲得した。祖父・大鵬は19歳だった60年夏場所で46代横綱・朝潮から初金星。ただ横綱戦は直前の春場所で2敗しており、初挑戦に焦点を合わせると祖父超えを果たしたといえる。

 「まだ負けが先行している。勝たなければ意味がない。このまま白星につなげていきたい」。大の里、尊富士らとともに、大器が目覚めた場所として記憶されるかもしれない。 

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