尊富士 大鵬に並ぶ64年ぶり新入幕無傷11連勝! 110年ぶり快挙Vへ、2差で残り4日

2024年03月21日 04:30

相撲

尊富士 大鵬に並ぶ64年ぶり新入幕無傷11連勝! 110年ぶり快挙Vへ、2差で残り4日
寄り切りで琴ノ若を破る尊富士(左)(撮影・後藤 正志) Photo By スポニチ
 【大相撲春場所11日目   ○尊富士(寄り切り)琴ノ若● ( 2024年3月20日    エディオンアリーナ大阪 )】 全勝の尊富士が2敗の大関・琴ノ若を破った。新入幕初日から11連勝は1960年初場所の大鵬に並ぶ歴代1位タイ。歴史的な大記録を成し遂げ、1914年夏場所の両国以来110年ぶり新入幕優勝へ大きく前進した。もう一人2敗の平幕・大の里は大関・貴景勝を撃破。大銀杏(おおいちょう)の結えない新鋭2人のどちらかが賜杯を抱く可能性が高まってきた。
 恐れを知らない尊富士の快進撃は、もはや誰にも止められない。琴ノ若の強烈な右おっつけで一瞬横向きにされたが、すぐに体勢を立て直して二本差して一気に走った。体重143キロの今も「50メートルは6秒台で走れると思う」と話すスピードで圧倒。「自分を信じていきました」。新入幕が大関初挑戦で白星を挙げるのは14年秋場所の逸ノ城以来、史上6人目のことだった。

 大鵬に並ぶ歴代1位の新入幕初日から11連勝。「偉大な人に並んでうれしい」としながらも「記録より記憶に残るような力士になりたい」と満足感はなかった。平成11年生まれの24歳にとって、昭和の大横綱のイメージは「王鵬関のおじいちゃん」。その偉大さに実感が追いついていないようだった。

 強さの秘訣(ひけつ)はオンとオフの切り替え。この日、取組前の支度部屋で兄弟子の翠富士に話しかけられた。「緊張してんの?今日一緒に焼き肉行く?」。大一番を控えた状況とは思えないたわいもない会話だが「花道に入ってから集中するので、あれが日常」と兄弟子の狙いも理解している。土俵上では大歓声が気にならなかったほど集中しきっていた。

 土俵入りで使用し続けている化粧まわしは、地元・青森県五所川原市を走る津軽鉄道のデザイン。速攻相撲の新星は「電車のように行こうかな」と験を担いでいる。後に32度の優勝を誇った大鵬も新入幕は最後4日間で3敗し、賜杯に届かなかった。早ければあす13日目にも決まる記録ずくめの初Vへ、電車道で駆け抜けていく。

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