大坂で決勝大会王手 1年7カ月ぶり国内戦 号泣の4年前から成長 エース15本でストレート勝ち

2024年04月13日 04:50

テニス

大坂で決勝大会王手 1年7カ月ぶり国内戦 号泣の4年前から成長 エース15本でストレート勝ち
カザフスタンとのシングルスで勝利し、歓声に応える大坂なおみ Photo By 共同
 【女子テニス国別対抗戦ビリー・ジーン・キング杯予選第1日 ( 2024年4月12日    東京・有明コロシアム )】 日本がカザフスタンから2勝を挙げ、11月の決勝大会進出へ王手をかけた。第2試合に登場した世界ランキング193位の大坂なおみ(26=フリー)が世界50位のユリア・プチンツェワ(29)に6―2、7―6でストレート勝ち。約1年7カ月ぶりの国内試合を白星で飾った。第1試合は世界79位の日比野菜緒(29=ブラス)が世界939位のアンナ・ダニリナ(28)に快勝。3戦先勝方式で、13日はシングルス2試合、ダブルス1試合が予定されている。
 約1年7カ月ぶりの国内試合で、大坂が精神的に成長した姿を見せた。第1セット第5ゲームを15―40からキープするなどピンチで崩れないタフさを見せ、第2セットはタイブレークの末にものにする勝負強さを発揮。20年2月以来の国別対抗戦を白星で飾り「久々の日本でいいプレーをしたい気持ちが先走り、ずっと緊張していた。勝ててうれしい」と笑顔を見せた。

 昨年7月に第1子を出産したママの一面ものぞいた。第2セット第7ゲーム。サーブを打とうとした際に客席で子供が泣き出し、プレーを止めた。「娘のシャイを思い出した」。慌てて会場を出る母親の姿に自身を重ね「じっくり時間をかけて大丈夫よ」と心の中でつぶやいた。一瞬、感傷的になったが、すぐに気持ちを切り替えた。最速194キロのサーブがさえ、エースは15本を記録。プチンツェワが「氷のよう」と表現した球足の速いコートも味方につけ、最大の武器を生かした。

 前回出場した4年2カ月前の国別対抗戦は格下に完敗して号泣しており、苦い記憶を払拭する白星にもなった。平日にもかかわらず観衆は4000人超。大坂は「今までで一番素晴らしいと思える雰囲気だった。万が一負けたら個人戦よりも大きなショックを受けていたと思う」と実感を込めた。今季の目標はパリ五輪。日本のエースが日の丸を背負う重圧を喜びに変えた。

 ≪杉山監督にっこり「緊張感受け止め」≫杉山愛監督は「日比野選手が120点満点のスタートを切り、良い流れを持ってきてくれた。大坂選手は緊張感を受け止めてやるべきことをしてくれた」と目を細めた。大坂の試合では相手のサーブに対するリターンのポジションを助言するなど勝利を支えた。23年1月の就任から5戦全勝。決勝大会進出とともに自身の不敗継続にも王手をかけ「2勝は大きい。良い流れで2日目を迎えられる」と視線を上げた。

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