胸筋を鍛える筋トレ|大胸筋をブ厚くする「マッチョな鍛え方」
2024年05月01日 09:00
かっこいい体やメリハリのある上半身を作るには、「胸筋」の筋トレが欠かせません。
胸筋を分厚くしたい、大きくしたい人は多いと思いますが、胸の筋肉について知識があやふやでは、効率よくトレーニングできません。
今回は、胸の筋肉を解説し、胸筋を鍛えるメリットや大胸筋を鍛えるエクササイズを紹介していきます。自重でできる簡単メニューから、ダンベルを使って追い込む種目まで、画像と動画を用いてトレーナーが解説します。
胸筋とは? 胸の筋肉の構造と働き
まず、胸にはどんな筋肉がついているのか確認してみましょう。
大胸筋(だいきょうきん)
胸の表面に付着していて、もっとも大きい筋肉が大胸筋です。鎖骨・胸骨から上腕骨に走行している筋肉で、腕を内側に閉じるときや、腕を上に上げるときに力を発揮します。
大胸筋は大きい筋肉なので、上部・中部・下部と分けることができます。
小胸筋(しょうきょうきん)
大胸筋の深部に付着しているのが、小胸筋です。
肋骨から肩甲骨に走行している筋肉で、大きい力を発揮することはできませんが、肩甲骨の動きをコントロールする重要な筋肉でもあります。
胸筋を鍛えるメリット。胸を鍛えるとどんな効果があるの?
胸筋を鍛えることで、どのような効果があるのでしょうか。ここでは胸筋の筋トレで得られる効果や、メリットを解説します。
体の厚みを増やし、逞しい・メリハリのある体をつくる
胸筋が盛り上がっていることで、パッと見で体を鍛えていることがわかるほど、第一印象に影響する重要な筋肉です。
細マッチョでも、ただ細いだけでは魅力的に見えません。盛り上がった大胸筋は、上半身の厚みを作り、服を着ていても魅力的な体になります。
また、見た目だけでなく、筋力を追求する人も多いのが、胸筋の魅力です。ベンチプレスの大会が開催されるほど、胸筋を鍛えるのが、逞しさや強さのアピールになるのです。
女性のバストアップに影響! 胸が垂れることを防ぐ
バストアップに筋トレは欠かせません。そもそも、バストは脂肪の塊。脂肪は筋トレで増やすことはできませんが、バストが垂れてしまうことを防ぐことができます。
胸筋は、バストの脂肪の下に付着しています。胸筋が脂肪の重さを引っ張って、支えているのです。筋肉が衰えることによって、脂肪の重さを支えることができなくなっていくと、だんだんバストが垂れていってしまいます。
胸筋を鍛え、脂肪をしっかり支えることでバストアップにつながるのです。
「押す」動作のパフォーマンス向上
大胸筋は、押す動作において力を発揮します。
サッカーやラグビー、格闘技などのフィジカルコンタクトがある競技だけでなく、フィジカルコンタクトがない競技においても、体幹の安定性に欠かせない部位です。
大きく盛り上がった胸筋を作るエクササイズ【家でできる自重編】
今回は、自重やダンベルで行うエクササイズを紹介していきます。自宅でも手軽に行えるものばかりなので、ぜひチャレンジしてみてください。
アイソメトリクスチェストプッシュ
1.掌を胸の前で合わせます
2.お互いに押し合うように力を入れます
3.力を入れたまま10秒間キープします
簡単にできるエクササイズです。
アイソメトリクス(※)のトレーニングは、思いっきり力を入れるのが効果を高めるポイントです。腕の角度によって、鍛える部分を上部・中部・下部と分けることができます。
(※)等尺性筋収縮(とうしゃくせいきんしゅうしゅく)のこと。筋肉の長さが変わらずに力を発揮する筋肉の収縮形態を指す。例:腕相撲で2人の力が均衡してまったく動かないとき、ラグビーのスクラムで押し合って動かない状態など。
腕立て伏せ(プッシュアップ)
1.腕立て伏せの姿勢になります。このとき、手幅は肩幅よりも拳2個ほど外側に広げ、床につきます
2.肘を曲げ、胸が床につくくらいまで体を下ろしましょう
3.下せるところまでいったら、肘を伸ばし、体を持ち上げていきます
この動作を繰り返します。
動作中は腰が反ったりお尻が上がったりしないよう、まっすぐな姿勢で行いましょう。
手幅を広げた腕立て伏せ(ワイドスタンスプッシュアップ)
1.腕立て伏せの姿勢になります。腕立て伏せの手幅よりもさらに拳1~2個ぶん外側に広げて床につきます
2.肘を曲げ、胸が床につくくらいまで体を下ろしましょう
3.下ろせるところまでいったら、肘を伸ばし、体を持ち上げていきます
4.この動作を繰り返します
手幅を広くすることで、胸筋への刺激が増えます。肘を真横に広げるように曲げていきましょう。
斜め腕立て伏せ(インクラインプッシュアップ)
1.両手をテーブルやイスなどの上にのせ、頭が足よりも高くなるようにして腕立て伏せの姿勢になります。このとき、手幅は肩幅よりも拳2個ほど外側に広げて床につきます
2.肘を曲げ、胸がテーブルやイスにつくくらいまで下ろしましょう
3.下ろせるところまでいったら、肘を伸ばし、体を持ち上げていきます
4.この動作を繰り返します
大胸筋下部を刺激するエクササイズです。
ベーシックなプッシュアップよりも負荷が軽くなるので、プッシュアップができない初心者や女性は、このエクササイズから取り組んでみましょう。
ダンベルベンチプレス
1.ベンチに仰向けになります。足は腰幅程度に開き、しっかり床につけます
2.両手にダンベルを握り、胸の前に持ち上げます
3.肘を曲げて、ダンベルをゆっくりと下ろしていきます。動作中、肘は横に開き、肘の真上に手首がくるようにしましょう
4.下ろせるところまで下ろしたら、肘を伸ばして元の姿勢に戻ります
5.この動作を繰り返し行います
動作が不安定になりやすいので、軽い負荷から行い、しっかり動作をコントロールして行うようにしましょう。
ダンベルフライ
1.ベンチに仰向けになります。足は腰幅程度に開き、しっかり床につけます
2.ダンベルを握り、両手を向かい合わせにして胸の前に持ち上げます
3.肘を軽く曲げたまま、ダンベルをゆっくりと真横に下していきます
4.ダンベルが肩の高さくらいにくるまで下ろしたら、ダンベルを持ち上げて元の姿勢に戻ります。
5.この動作を繰り返し行います。
動作を通じて、軽く肘を曲げたまま固定しておきましょう。
インクラインダンベルベンチプレス
1.30~45°くらいに角度をつけたベンチに仰向けになります。足は腰幅に開き、しっかり床につけます
2.両手にダンベルを握り、胸の前に持ち上げます
3.肘を曲げてダンベルをゆっくりと下ろしていきます。動作中、肘の真上に手首がくるようなイメージで動作を行いましょう
4.下ろせるところまで下ろしたら、肘を伸ばして元の姿勢に戻ります
5.この動作を繰り返し行います
大胸筋上部を鍛えるエクササイズです。バランスをとりながら、動作をコントロールして行いましょう。
ダンベルプルオーバー
1.ベンチやイスの座面に背中を乗せるようにして仰向けになります。両手でダンベルを持ち、顔の前でダンベルを保持するように、天井方向に腕を伸ばします。
2.肘を軽く曲げたまま、ゆっくりダンベルを頭上へ下ろしていきます。
3.下ろせるところまでいったら、ダンベルを持ち上げてゆっくり元の姿勢に戻ります
4.この動作を繰り返し行います
ダンベルを下ろしたとき、しっかり胸筋がストレッチされる感じがするくらい下ろすとよいでしょう。
胸筋は「上部・中部・下部」と分けて鍛えるのが効果
ここでは、胸筋を効果的に鍛えるためのポイントを紹介していきます。
上部・中部・下部と分けて鍛える
大胸筋は上部・中部・下部と分けることができ、それぞれを刺激するエクササイズの方法が若干異なります。
部位を分けて刺激すると、以下のようなメリットが期待できます。
- 上部 → 鎖骨のすぐ下から盛り上がる胸筋を作る
- 中部 → 横に広い大胸筋を作る
- 下部 → 大胸筋のボリュームを増やし厚みを作る
それぞれを意識してトレーニングすることによって、大胸筋全体を大きくすることができます。
基本的なエクササイズに慣れてきたら、部位を意識してエクササイズを選んでみましょう。
3回×3セットなど、高重量を使ってみる
胸の筋肉は大きいので、高重量を扱うことができます。
10回×3セットのようなオーソドックスな負荷設定だけでなく、3回×3セットのような高負荷で行うことも効果を高めるポイントです。
トレーニング前半は高重量×低レップ数、後半は低重量×高レップ数
また、トレーニングの前半と後半で、重量を変えるのもよいでしょう。限界まで大胸筋を追い込むのに効果的です。
- トレーニング前半の筋肉が疲れていないとき:高重量×低レップ数
- 疲労が溜まっているトレーニング後半:低重量×高レップ数
高重量を扱う際は、正しいフォームや動作を行うように気をつけましょう。無理なフォームでの動作は、効果が低くなるだけでなく、ケガのリスクが大きく高まります。
肩甲骨をしっかり寄せて動作を行う
胸筋のトレーニングは、肩甲骨をしっかり寄せて胸を張った姿勢が大切です。肩甲骨を寄せることで、肩関節の可動域を最大限に動かすことができます。
また、寄せた肩甲骨は動かさず、固定したまま動作を行うことを意識しながら行うようにしましょう。
呼吸は止めない
エクササイズ中は、呼吸を止めないようにしましょう。とくに高重量を扱う際に呼吸を止めてしまうと、怒責などを引き起こすリスクが高まります。
力を入れる動作の際に、息を吐くように意識しながら行いましょう。
腕ではなく胸で“押す”感覚を意識して
押す動作の際、腕を伸ばす意識が強いと、上腕三頭筋が多く使われてしまい、胸への刺激が逃げてしまいます。
プッシュアップなどで腕ばかり疲れてしまうという人は、胸をしっかり意識できていない可能性が高いです。
胸のトレーニングを行う際は、腕の曲げ伸ばしよりも、胸に負荷がかかっていることを感じながら、胸で押すように意識して動作を行いましょう。
毎日やったほうがいい? どのくらいやればいいのか、頻度と継続期間を探る
同じ部位のトレーニングは週に1~2回
胸筋に限らず、同じ部位のトレーニングは休息をしっかりとる必要があります。部位を分割してトレーニングを行うのであれば、同じ部位のトレーニングは週に1~2回が適切です。
2か月目あたりから見た目に変化が出てくる
胸筋トレー二ングを始めた初めの1か月程度は、見た目はあまり変わりませんが、急激に筋力が向上します。
そのまま適切な負荷で行っていけば、2か月目あたりから徐々に見た目にも変化が出てくることでしょう。筋力が高まっていくとキツさが軽くなるので、徐々に負荷を上げながら続けていきましょう。
胸筋トレーニング後にオススメのストレッチ
トレーニングをした後はしっかりストレッチで、ケアをしておきましょう。
大胸筋のストレッチ
- 壁の横に立ち、前腕~肘を壁につきます。この時、腕は水平より少し上になるようにします
- 腕を壁についたまま、壁を背にするように体を捻ります
- 胸筋が伸びているのを感じながら、20秒キープします
胸筋を筋肥大化させる食事・サプリメント
筋トレを頑張ったのなら、食事にも意識を向け、筋肥大効果を高めましょう。
筋肉を大きくするなら、「たんぱく質」の摂取が欠かせません。肉や魚、卵、乳製品、大豆などに多く含まれるたんぱく質は、筋肉の元となる栄養素です。
筋肥大のためには、体重1kgあたり2g程度(60kgの場合、120g)を目安に、たんぱく質を摂取するとよいでしょう。
小食の人は、サプリメントの活用も視野に入れましょう。プロテインやBCAAなどのアミノ酸は、食事からでは不足してしまうたんぱく質を、効率よく摂取することができます。
著者プロフィール
和田拓巳(わだ・たくみ)
プロスポーツトレーナー歴22年。プロアスリートやアーティスト、オリンピック候補選手などのトレーニング指導やコンディショニング管理を担当。治療院や競技チーム帯同で得たケガの知識を活かし、リハビリ指導も行う。医療系・スポーツ系専門学校での講師や、健康・スポーツ・トレーニングに関する講演会・講習会の講師を務めること多数。テレビや雑誌においても出演・トレーニング監修を行う。現在、様々なメディアで執筆や商品監修を行い、健康・フィットネスに関する情報を発信中。2021年 著書「見るだけ筋トレ」(青春出版社)発刊。
Official site : https://wada0129.wixsite.com/takumiwada
Facebook : https://www.facebook.com/pt.wada/
Twitter: https://twitter.com/PT_wadatakumi
この著者の記事をもっと読む
<Text:和田拓巳/Edit:編集部>
おすすめテーマ
2024年05月01日のニュース
特集
スポーツのランキング
-
先週欧州ツアー優勝の桂川有人 地元・愛知で2週連続Vへ「成し遂げてみたいというのはある」
-
日大、25年度以降アメフト部新設へ「検討進める」 再生に向け…林真理子理事長「改革を速やかに」
-
旧陸奥部屋から移籍した大関・霧島が新天地の音羽山部屋で本格始動「新たな気持ちになります」
-
上田桃子「いい記憶が多い」東コースで悲願のメジャー獲りへ
-
古江彩佳 「ハヤカタ」グリーン警戒 初メジャータイトルで五輪切符たぐり寄せる!
-
西村優菜 あこがれ宮里藍さんとラウンド「右手と右足が一緒に出るくらい緊張した」
-
高橋藍、伊1部モンツァのシーズン終え帰国 パリ五輪へ「自分が日本代表の軸になる」
-
空手東京五輪代表・植草歩、現役引退を発表「名前の如く一歩一歩、歩んできました」7月の大会がラスト
-
金田久美子 タンクトップ姿でのリラックスショット披露に「めちゃくちゃかっこよ」「素敵な笑顔」の声
-
「印象深い大会エピソードは?」 #CJBBFビキニ出場選手に聞いてみたいこと
-
体幹トレーニングを8分間。「プランク」で上半身をバランスよく鍛えよう
-
【精神科医に聞く】5月病を「睡眠」からアプローチ!10の対策と、眠れないときのお助け術
-
スクワットの4つの効果と正しいやり方。1日の回数は?週に何回やればいい?
-
胸筋を鍛える筋トレ|大胸筋をブ厚くする「マッチョな鍛え方」
-
「腕立て伏せを毎日やる人」に起きやすい、残念な結果とは
-
二の腕にもっとも効く「腕立て伏せフォーム」はどれ? 種類別に効果を比較
-
【元横綱・稀勢の里コラム】三役昇進は通過点 大の里は今後に向けて大事な夏場所に
-
大の里 初のまげ姿披露「ようやくお相撲さんになれた」所要6場所で新三役昇進、新番付で「実感湧いた」
-
50年ぶり復活「琴櫻」 生前の祖父と交わした約束実現「不思議な感覚」新化粧まわしに横綱への期待
-
「パリでも金、やっパリ金」柔道代表選手に谷亮子が金言でエール 記念撮影中に泣き出す選手も
-
女子バスケ 五輪代表候補23人を発表 渡嘉敷来夢は落選 今季WリーグプレーオフMVPの宮沢夕貴は復帰
-
133連勝中のレスリング・藤波 1日から練習再開へ 3月に右肘脱臼で手術 パリ五輪へ国内で調整
-
勝みなみ 全米女子OPの出場資格まであとわずか「世界ランクをどんどん上げたい」国内メジャー初戦に意欲
-
バドミントン五輪代表が確定 山口茜は3大会連続 奈良岡功大は初 ダブルス、混合なども