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白血病公表から1992日…池江璃花子 準決勝敗退に涙「勝てなきゃ意味ない」悔し2大会ぶり個人種目

2024年07月28日 04:18

競泳

白血病公表から1992日…池江璃花子 準決勝敗退に涙「勝てなきゃ意味ない」悔し2大会ぶり個人種目
池江璃花子 Photo By スポニチ
 【パリ五輪第2日 競泳 女子100㍍バタフライ準決勝 ( 2024年7月27日    ラデファンス・アリーナ )】 準決勝1組に登場した池江璃花子(24=横浜ゴム)は57秒79で6位だった。2組を終えて全体12位となり上位8人に残れず、決勝進出はならなかった。
 21年東京五輪はリレー種目のみの出場で、個人種目の五輪は計7種目(個人4、リレー3)に出場したリオ五輪以来2大会ぶり。自身3度目の五輪は、高校1年時に出場した16年リオ五輪の決勝で出した56秒86を目標タイムに設定していたが、届かなかった。

 白血病公表から1992日が経過して迎えた夢舞台。レースの感想を問われると数秒、言葉に詰まった。「今のレースは…正直、頑張ってきた分だけ無駄だったのかなって…。そういうレースでした」。声は震え、涙が浮かんだ。

 「こんな形で個人種目が終わってしまったのはショック。なんでだろうという気持ち。五輪は出るだけではつまらない。決勝に残らないと、戦いは始まらない」

 21年東京五輪後はスランプに陥り、競技人生で初めて「泳ぎたくない」という心境に陥った。「自分はなんて弱いんだろう。闘病中の時の方が強かった」。低迷を打破するため、昨年10月からオーストラリアに練習拠点を移した。

 数々の有力選手を抱えるマイケル・ボール・コーチに師事し、21年東京五輪4冠のエマ・マキオンらと練習。深い話の際は調べた英語を紙に書き写して伝えるなど必死に対話を図った。

 練習場の目の前に居を構えたが、最初のマンションはゴキブリが大量発生。叫び声が近所に響き、隣に住むトレーナーが驚いて駆けつけたこともある。全力を尽くしてきたからこそ、結果に納得できなかった。

 パリでの個人種目の挑戦は終わった。「最後は勝負の世界なので勝てなきゃ意味ないですし、本当に自分の力を出し切れずに終わってしまった。戦わずに終わってしまった」。潤んだ瞳で見据えるのは、28年ロサンゼルス五輪。「また4年後リベンジしに帰ってきたい」。衰えぬ闘志とともに、池江は前に進む。

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