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女子相撲の全国高校選手権を初開催!インターハイの競技採用へ大きな一歩 普及を願う選手たち

2024年08月10日 19:30

相撲

女子相撲の全国高校選手権を初開催!インターハイの競技採用へ大きな一歩 普及を願う選手たち
初めて開催された高校生だけの全国大会で、熱戦を繰り広げる女子選手たち(撮影・前川 晋作) Photo By スポニチ
 第1回全国高等学校女子相撲選手権大会が10日、東京都立川市のアリーナ立川立飛で開催された。軽量級(60キロ未満)、中量級(75キロ未満)、重量級(75キロ以上)の3階級に分かれた個人戦と、3人制の団体戦が行われ、高校日本一を懸けて計40人の選手が熱戦を展開した。
 女子相撲は年々競技人口が増えており、小学生から社会人まで多くの大会が開催されているが、高校生だけの全国大会は今回が初めて。全国高等学校体育連盟(高体連)が主催する全国高校総体(インターハイ)相撲競技には女子の部がないため、日本相撲連盟主催の大会として初めて開催された。

 日本相撲連盟副会長の安井和男氏は「(全日本女子選手権などでは)高校生は大学生や一般と同じカテゴリーでやっている。小中学生の競技人口は増えており、高校の選手権を作ることで、高校になっても続けたいと思えるようになる」と大会の目的を説明。中学までで辞めてしまう人も一定数いる中、高校日本一を目指すことが相撲を続ける一つのモチベーションになると期待した。

 目標は、高体連が主催するインターハイの正式競技に採用されること。そのためには「実績を作って、高体連に認められる(競技人口などの)条件を次々に満たしていかないといけない」という。国体も含め、予選となる各都道府県での大会を開催できなければ正式競技への採用は難しいのが現状だ。今大会の開催は、そのための大きな一歩。安井氏は「今回は種まきだと思って、この大会をどんどん大きくして本当のインターハイにしていきたい」とさらなる普及・発展を願った。

 また、安井氏は「女子の指導者や運営など企画する人を育成するのも一つの目標」と大会の趣旨を説明。昨年1月に開催された「元日女子相撲」と同じように、世界トップレベルで活躍する一流の女子選手らが今回も放送係や撮影係、審判などの裏方を務めていた。

 男子の全国中学校体育大会(全中)相撲競技が2027年から除外されることが決まり、競技人口の減少はアマチュア相撲界全体の死活問題となっている。高校総体や国体の正式競技を維持するためにも、女子競技の普及は必要不可欠な喫緊の課題だ。今大会の重量級(75キロ以上)で優勝した後藤なぎさ(鳥取城北2年)は、将来的には「指導者になって女子相撲を広めたいです」と夢を語っていた。競技の普及・発展への思いは、若い世代の現役選手たちにもしっかり根付いている。

 ▽各階級優勝者
軽量級 新井田未徠(青森・三本木農業恵拓3年)
中量級 雪本慈(鳥取城北1年)
重量級 後藤なぎさ(鳥取城北2年)
団体戦 石川・金沢学院大附属高校

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