広澤克実氏 阪神・新助っ人Aロッドの打撃フォームをチェック ド級の長打力に「どこまで飛ばすのか?」

2022年07月12日 05:15

野球

広澤克実氏 阪神・新助っ人Aロッドの打撃フォームをチェック ド級の長打力に「どこまで飛ばすのか?」
オリックス時代のアデルリン・ロドリゲスの打撃連続写真 Photo By スポニチ
 阪神に新加入したアデルリン・ロドリゲス内野手(30)の打撃フォームをチェックした本紙評論家・広澤克実氏(60)は今後の戦局にインパクトを与える長打力の持ち主だと分析し、途中入団で成功するためにも「合流即スタメン」を提唱した。加えて、大山や佐藤輝の守備位置が変わる事態は避けるべきと訴えた。
 米マイナーとはいえ、通算215本塁打。オリックス時代の連続写真でもパワーは十分に伝わってくる。

 ボールを待つ<写真3>では体内に持つエネルギーを強く感じる。<同6>から<同7>のインパクト部分は迫力満点だ。どこまで飛ばすのか…という打撃を見せてくれる予感がある。全体的に力強さはあるし、本塁打を含めて長打を期待できる打者だと思う。

 課題は日本の投手の低めへの変化球だ。<同4>では左肩、左の股関節がほぼ同時に動き、下半身でリードできていない。上半身は<同3>の位置をキープし、捻転差をつくることが理想だが、上半身が一緒に動き、踏み出した形のまま対応している印象だ。<同5>では右かかとが上がり、左足に早く体重移動。外角の変化球、低めの変化球にはやや苦労しそうだ。

 シーズン中の補強は足りないところをカバーするためのもの。緊急補強のロドリゲスにあれもこれも求めては、中途半端な結果に終わる可能性がある。期待するのが長打力なら、そこに絞るべきだ。合流したら、本人に何を求めているか首脳陣が明確に伝えることが必要だ。役割がはっきりすれば、ロドリゲスもそれに集中することができる。6番か7番に置いて、50試合で15本塁打したら十分貢献できる。それだけの長打力は持っている。

 力を発揮させるためには三振や守備のリスクも、ある程度覚悟して使わなければならない。できれば合流即スタメンで使いたい。日本の野球に慣れさせてから…ではシーズンが終わってしまう。他球団も徹底的に弱点を研究する。分析される前に打てばロドリゲスの気持ちも乗る。スタートが肝心だ。

 ポジションについては一言言いたい。「一塁・ロドリゲス、左翼・大山」の布陣が伝わるからだ。後半戦の巻き返しで、クライマックスシリーズ出場を狙うなら、チームの骨格をいじるべきではない。阪神の中心はマルテやロドリゲスではなく、佐藤輝と大山、そして近本だ。軸を固定し、外国人はそれ以外のピースとして柔軟に起用する。それが今季の基本構成だと思っている。(スポニチ本紙評論家)

 ◇アデルリン・ロドリゲス 1991年11月18日生まれ、ドミニカ共和国出身の30歳。08年にメッツとマイナー契約。マリナーズ、オリオールズ、パドレスを経て20年にオリックス入団。59試合で打率・218、6本塁打、25打点。同年オフの自由契約後、21年はタイガース、今季はパドレスのマイナーでプレー。メジャー経験はなく、マイナー通算1219試合で打率・271、215本塁打、839打点。1メートル92、95キロ。右投げ右打ち。

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