DeNA・三嶋 難病乗り越え355日ぶり白星 昨年8月手術…愛息にも心配かけたリハビリに耐え

2023年04月27日 05:00

野球

DeNA・三嶋 難病乗り越え355日ぶり白星 昨年8月手術…愛息にも心配かけたリハビリに耐え
<D・ヤ>タオルを掲げる戸柱(左)と三嶋(撮影・島崎忠彦) Photo By スポニチ
 【セ・リーグ   DeNA5-2ヤクルト ( 2023年4月26日    横浜 )】 笑顔でグラウンドに飛び出した。DeNA・三嶋が、可愛がる後輩の山崎が試合を締めるのをじっと見つめた。久々に味わう勝利投手の感触。「今日(三浦監督に)“7回三嶋”と言われたことがうれしかったし、全力で向かった。インタビューもさせてもらい、うれしかったです。うれしいんですよ、僕っ!」と喜びを隠せなかった。
 昨年8月29日に国指定の難病「胸椎黄色じん帯骨化症」の手術を受けた。復帰後6試合目の登板。1―1の7回にリーグ連覇の難敵に挑んだ。赤羽、高梨を連続空振り三振。続く並木に右前打されたが、浜田はスライダーで空振り三振。最速150キロを計測しての無失点救援に、クールな男もガッツポーズを繰り出した。その熱投に同学年が応えた。「戦友」でもある戸柱が、直後の7回1死一、二塁から決勝の右越え3ラン。昨年5月6日の広島戦以来355日ぶりの白星が舞い込んだ。

 苦難の道は昨年1月から始まった。例年通り、神奈川・厚木で自主トレを行っていた。その頃、病が忍び寄っていた。2月の沖縄・宜野湾キャンプは「だましだまし」。同キャンプで新球シュートを習得したと強調していたが、実は背中、左脚と痛みが増しており「シュートを投げることで周囲の視線をそらした」と振り返る。

 手術後は家族を心配させるつらさも味わった。5歳の長男と1歳の次男を育てるパパ。術後に長男から「(幼稚園の)先生にパパ大丈夫?って言われたよ」と聞くと、子供たちにも病気で気を使わせていると感じ、つらさが増した。それでも懸命なリハビリに耐え、マウンドに帰ってきた。

 本拠地8連勝で今季最多の貯金5、単独首位キープに貢献したのは戦力の証。「いろんなことを背負った戦いでしたが、今日はいい一日。最高の一日でした」。信頼できる男の帰還に本拠地は大きな拍手に包まれた。(大木 穂高)

 ▽黄色じん帯骨化症 脊髄の後ろにある椎弓と呼ばれる部分を上下につなぐ黄色じん帯が骨化して脊柱管が狭くなり、神経の圧迫症状が出現する国指定の難病。背骨のうちの胸椎の部分で起こることが多い。左右不均衡に体を曲げる投手に多いとも言われる。プロ野球では過去、93年に酒井勉(オリックス)、12年に越智大祐(巨人)が発症したが手術後、1軍復帰はかなわず。13年の大隣憲司(ソフトバンク)、18年の南昌輝(ロッテ)は手術後に1軍復帰を果たした例がある。

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