阪神の森下に…広島・森下、今季最多108球完投実らず 新井監督「勝ちを付けてあげたかった」

2023年05月21日 05:02

野球

阪神の森下に…広島・森下、今季最多108球完投実らず 新井監督「勝ちを付けてあげたかった」
9回2死一、二塁、森下翔太(左)にサヨナラ打を浴びる森下暢仁(撮影・北條 貴史) Photo By スポニチ
 【セ・リーグ   広島0-1阪神 ( 2023年5月20日    甲子園 )】 今季最多108球の力投は実らなかった。広島は20日、阪神に0―1で今季5度目のサヨナラ負け。打線の援護がない中、先発・森下暢仁投手(25)が8回まで4安打無失点も、9回に同姓のルーキー・森下にサヨナラ打を許し、今季初黒星を喫した。新井貴浩監督(46)は完投した右腕に「勝ちを付けてあげたかった」と労をねぎらった。
 快音を発したライナーが左前ではずむ。西川からのバックホームは高くそれ、二走・大山のサヨナラ生還を目の当たりにした瞬間、森下はぼう然と立ち尽くした。9回を一人で投げ切りながら非情すぎる結末。帰途に就く際に胸中を明かした。

 「9回だけかなと思います。大山さんには高めに浮いて甘くなったし、佐藤(輝)のところも勝負で3球続けてボール。最後は甘くなっちゃいました…」

 0―0の9回2死から試合は暗転した。大山に1ストライクからの外角高め直球を右中間二塁打され、佐藤輝には3ボールとなってベンチが申告敬遠を選択。最後は森下の内懐を突くはずの初球、147キロ直球が甘く入った。痛恨だった。

 「入りをあんなに簡単にいって打たれた。勢いをつけちゃったという感じの負け方をしてしまって…」

 それまでは完璧だった。5回2死二塁ではギアを上げ、近本を直球主体で追い込んで115キロの低めカーブで空振り三振。2回の先頭・佐藤輝が放った強烈な二ゴロは名手・菊池が、8回の先頭・木浪の三遊間へのゴロは林が、それぞれ好守で阻んでもり立てた。

 「(林)晃汰もいい守備をしていたし、みんなに守ってアウトにしてもらい、テンポよく投げられました」

 今季最多108球を投げながら、悔しすぎる完投1敗。新井監督は2度「森下に勝ちを付けてあげたかった」と言い、「真っすぐの強さやボールの精度が彼本来のものになってきている。素晴らしい投球だった。だからなんとか…」と続けた。

 今季3試合目の先発で、過去2戦はいずれも6回2失点で降板。前回13日の巨人戦後には「もっと長いイニングを投げたかった。次は改善したい」と話しており、有言実行の虎狩りだった。

 「(今季)一番よかったかな…と。勝ちたかったです…」

 右肘手術からの復活を誓う4年目。打者を寄せ付けない圧巻投球がよみがえり、完全復調をチーム内外に強く印象づけた。敗戦の中でキラリと光った。 (江尾 卓也)

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