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東北から広げる女子野球の熱 男子に負けないアツい思い 9、10日初開催「イーハトーブはなまき大会」

2023年09月05日 06:00

野球

東北から広げる女子野球の熱 男子に負けないアツい思い 9、10日初開催「イーハトーブはなまき大会」
第27回全国高校女子野球選手権で優勝を決め、歓喜の神戸弘陵ナイン Photo By スポニチ
 女子野球界も東北から盛り上げる。今週末9、10日の2日間の日程で女子硬式野球「第1回イーハトーブはなまき大会」が岩手県花巻市内で開催される。女子野球人口増加や普及を主な目的として高校、大学を含めた12チームが参加する。男子は昨夏に仙台育英(宮城)が甲子園大会で東北勢として初優勝。今夏も8強に東北勢3校が残る史上初の躍進を遂げた。男子に負けじと奮闘する、女子野球大会の「交流戦」となる。(川島 毅洋)
 笑顔があふれる女子野球には、男子とはひと味違った魅力がたっぷり詰まっている。徐々に競技人口が増加している中、今回は東北で真剣勝負の大会が産声を上げる。

 花巻市教育委員会が後援する女子硬式野球「第1回イーハトーブはなまき大会」は、9、10日の2日間で開催。参加チームは仙台大、福井工大の大学2チームをはじめ、高校からは横浜隼人、弘前学院聖愛(青森)、花巻東、福井工大福井、東海大静岡翔洋、埼玉栄、学法石川(福島)、惺山(山形)、クラーク(宮城)、日本ウェルネス宮城の12チーム。東北からは7チームが参加する。

 全日本女子野球連盟の山田博子会長は「こういう交流大会は全国で広がりを見せています。東北は今までは女子野球の不毛の地でしたが、近年はチームも増えてきている。女子野球普及のために東北でできるのはいいこと」と期待を寄せる。

 菊池雄星(ブルージェイズ)、大谷翔平(エンゼルス)が巣立った花巻東は女子野球部も力をつけており、今春の選抜大会で準優勝を飾った。今秋ドラフト1位候補に挙がる佐々木麟太郎の妹・秋羽(しゅう=2年)は新チームから主将に就任し、今大会を心待ちにしている。「女子野球人口が増えるきっかけになるように頑張りたい。男子にはない、女子野球の楽しさを皆さんに知ってもらいたい。これから女子野球を始める子供が出てくればうれしいです」と意気込みを口にする。

 大会はトーナメント方式だが、本戦以外にも大会初日はシードされた4チーム同士や1回戦で敗れたチーム同士の交流試合も組まれるなど、より実戦経験を積めるよう工夫も凝らした。山田会長は「高校生でも大学生とやりあえる。バラエティーに富んだ、いろいろな大会ができるし、選択肢が広がる」と話す。近年は女子高校野球の全国大会決勝が春は東京ドーム、夏は甲子園で開催され、注目度は上がった。

 「男子だけじゃないんだぞ、というところもプレーで見せられるように。試合を見た人が、楽しそうだなと思ってもらえるように」と俊足巧打の遊撃手の佐々木秋羽主将。近年は男子の躍進が目立つ東北勢。女子野球界も、みちのくから盛り上がりそうな気配だ。

 ≪競技人口年々増加 18年に2000人突破≫女子野球全体の競技人口は年々増加している。18年に2000人を突破し、高校生は15年の698人から、22年には1524人まで増えた。高校の全国大会は全国高校女子硬式野球選手権、選抜大会、ユース大会があり、選抜は昨年から決勝戦を東京ドームで開催。選手権は21年から決勝を甲子園で開催している。女子野球の日本代表チームは今月に広島県三次市で開催される「第9回WBSC女子野球W杯1次ラウンドB」に出場。大会7連覇を目指す。わかさ生活が運営した女子プロ野球リーグは21年に無期限休止になったが、現在は西武、阪神、巨人の3球団が女子硬式野球チームの活動を行っている。

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