【虎番リポート】佐藤輝の気遣いに主軸の自覚を見た

2023年09月05日 05:15

野球

【虎番リポート】佐藤輝の気遣いに主軸の自覚を見た
2日ヤクルト戦の8回、代打・山田を迎えた場面で石井(右)に声をかける佐藤輝 Photo By スポニチ
 【虎番リポート】当事者の石井が「もの凄く勇気づけられたんです」と感謝していたのが印象的だった。2日のヤクルト戦で8回に2点を返され、なお2死一塁。代打・山田を迎えた場面で佐藤輝は一人マウンドに向かい、同期入団の石井に声をかけた。新人だった21年、同じ神宮での開幕第3戦で山田に2ランを被弾。悪夢がよぎりかけていたところで「今の“いしやん”はあの時とは違いますよ。大丈夫です」と励ました。結果は左前打でも後続を断ち、リードを守った。
 2年前を踏まえた気の利く声がけの真意を、名古屋への移動前に佐藤輝本人に聞く機会があった。「知っていたというか…。打たれた時から“宿敵やな”って。何本か打たれてるんですよ」。21年は3打数2安打(2本塁打)、22年は対戦がなく、今季も過去2打数2安打。石井が山田を“宿敵”としていることが頭に入っていたからこそ、1点差の緊迫した状況で投手を気遣う鼓舞ができた。

 中心選手として自覚にあふれた行動は「大山さんとか、木浪さんとか、周りの先輩が行っているのもある」と先輩の背中を見て学んだものだ。「それでちょっとでも落ち着くんだったら、やってあげた方が絶対いいと思う」。三塁固定の今季、セ・リーグ三塁手では中日・石川昂と並んで2番目に多い14失策など守備に課題は残る。それでも、岡田監督が1日に佐藤輝について発した「曲がりなりにも精いっぱいやっとる」という言葉は、打撃以外にも当てはまっているとみる。(阪井 日向)

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