慶大・外丸東真、19歳の1004球 「抑えられるビジョンなかった」青学大との決勝で得た自信

2023年11月26日 20:19

野球

慶大・外丸東真、19歳の1004球 「抑えられるビジョンなかった」青学大との決勝で得た自信
福島での全早慶戦に参加した外丸(撮影・柳内 遼平) Photo By スポニチ
 【全早慶戦   早大7―6慶大 ( 2023年11月26日    福島県営あづま )】 早大、慶大の現役部員にOBを加えた混成チームによる全早慶戦が26日、福島県営あづま球場で行われ、早大が7―6で勝利した。
 福島市出身で早大の応援歌「紺碧の空」などを作曲した作曲家、古関裕而氏の野球殿堂入りを記念した福島開催。秋季リーグ戦で無敗の6勝を挙げ、明治神宮大会では2勝で日本一に導いた慶大の最速149キロ右腕・外丸東真投手(2年)は登板しなかったが、試合後に来季への抱負を語った。

 今年、大学で戦力的に最強のチームは間違いなく東都大学リーグの覇者・青学大だった。投手ではともにドラフト1位指名を受けた常広、下村だけではなく、好調を維持していた左腕・児玉、経験のある右腕・松井、他にも大型右腕・鈴木、大型左腕・ヴァデルナと鉄壁の投手陣を備えていた。打撃陣も凄い。来秋のドラフト1位候補とされる佐々木、西川を軸に下位まで切れ目のない打者が並ぶ。その大本命と明治神宮大会決勝で激突。外丸は完封勝利で頂点に立った。

 「決勝が終わってから結構、祝福の連絡をいただきました。そこからだんだんと実感がわいてきた。優勝した日は本当に実感がなくて。“本当に日本一になったのかな”という感じでした。青学大を抑えられるビジョンは全くなかったんですけど、自分のピッチングができたので自信になりました」

 高い制球力、直球と同じ軌道から変化するスライダー、ツーシームが武器。青学大戦では直球はほとんど130キロ台後半だったが「フロントドア」と「バックドア」を駆使してゼロを並べた。この秋、リーグ戦と明治神宮大会の10試合で8勝0敗と無双。80回1/3で1004球を投げて防御率は脅威の1・23。それでもマークが厳しくなる来季に向け、進化の必要性を実感している。

 「全体的にスケールアップしたいと思っています。この秋で課題は明確になった。やっぱり球威。150キロを目指したい。もちろん球速だけを追い求めてもダメ。バランスを保ちつつ、底上げをしたい。来春には成長した姿を見せられるように、練習に取り組んでいきたいと思います」

 2年にして、つかんだエースと日本一の座。夢の大学日本代表入り、そして25年ドラフトでのプロ入りへ。進化を求める外丸が冬を迎える。(柳内 遼平)

 ≪タフさの理由は「感知とケア」≫この秋、80回1/3で1004球を投げても肩、肘に異常はない。外丸は慶大受験の際、AO入試の面接で「ケガ予防の研究」をテーマに「前兆を感知することが未然にケガを防ぐすべ」と熱弁し合格を手にした。「面接」で語った感知とストレッチなど入念なケアがタフさの秘訣(ひけつ)だ。

 ◇外丸 東真(そとまる・あづま)2004年(平16)2月22日生まれ、前橋市出身の19歳。小3から野球を始め、桂萱中では軟式野球部に所属。前橋育英では3年夏に甲子園出場。慶大では1年春からリーグ戦デビューし、通算30試合で11勝6敗、防御率1.99。遠投100メートル。50メートル走6秒3。1メートル73、75キロ。右投げ右打ち。

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