ホークスOB鈴木伸彦さん ダイエー&ソフトBで屋台骨支えた裏方 名将との縁が財産に

2023年12月13日 05:25

野球

ホークスOB鈴木伸彦さん ダイエー&ソフトBで屋台骨支えた裏方 名将との縁が財産に
11年に優勝と日本一になり、秋山監督(右)とビールかけで喜ぶ鈴木さん(左) Photo By スポニチ
 ホークスOBの今を伝える連載「あの人に逢鷹」。第3回は福岡工大の学生部学生課の鈴木伸彦さん(49)だ。青学大時代はダイエー、米大リーグ、ロッテで活躍した井口資仁氏らと同級生。自身はダイエー、ソフトバンクで王貞治監督(83)時代は広報、秋山幸二監督(61)の下では監督付き兼1軍マネジャーとして奮闘した。2人の名将を見てきた“ノブさん”は当時の仕事が財産となっていることを明かした。
 穏やかな口ぶりに人柄がにじむ。ダイエー、ソフトバンクで18年間裏方としてチームの屋台骨を支えた鈴木さんは、福岡工大の学生部学生課の職員として4000人ほどの学生一人、一人と向き合っている。生活全般を支援する部署で「大学は社会へ送り出す最終教育機関。学生の人生を考えた時にどのようなお手伝いができるか」と、模索する日々を送っている。

 福島県出身。学法石川から青学大に進み野球部の主務(マネジャー)を務めた。同学年にはダイエー、大リーグ、ロッテで活躍した井口資仁氏、ダイエーで活躍した倉野信次氏、ロッテ、中日などで活躍した清水将海氏らがいた。97年にダイエーに入社。編成部やチーム管理部などを経て、2人の名将と間近で接する機会に恵まれた。

 まずは、王監督の下で広報を7年間務めた。“世界の王”からの「常にファンあってのプロ野球であることを忘れてはならない」という言葉をよく耳にした。ペイペイドームにはチケットを購入して、試合を楽しみにファンがやって来る。「目の前のプレーに全力で応えるのがプロ。結果も大事だが、そのプレーに対する姿勢にも厳しかった」と振り返った。王監督の言葉は現在でも仕事をする上での柱になっている。「学生あっての福岡工大。学生を預かる責任があり、その姿勢はブレたくない」と話した。

(感謝の気持ち/) 09~14年の秋山監督政権では、監督付き兼1軍マネジャー業を務めた。「家族より一緒にいる時間が長い」という要職で、現役時代はNPB通算2157安打を放った指揮官相手に「監督を孤独にしないことを大切に」して接した。秋山監督の人柄もあり「背伸びする必要もなく、自然体で接することができた」と感謝する。3度のリーグ優勝。11年と14年は日本一でのビールかけで喜びを共有したことは大切な財産になっている。

 「僕の18年間は、ホークスで本当によかったと思います」と鈴木さん。常勝軍団になっていくプロセスを勝利にこだわる2人の指揮官の下で経験できたからだ。感謝の気持ちを持って第二の人生を送っている。 (杉浦 友樹)

 ○…ホークスで球団広報を務めた時期は「大きな出来事があった」と振り返ったように激動だった。02年に秋山の引退。03年に日本一パレード翌日に小久保の巨人への無償トレード。04年はダイエーの身売り。06年には王監督が、病気のための休養会見。08年は王監督の退任に対応した。本紙を含めメディアとの付き合い方も勉強になったという。

 ○…19年から福岡工大野球部のアドバイザーを務めている。大学、付属高の福岡工大城東、「FITジュニア」の中学部、小学部の軟式を統括する。「普段の生活が人間の土台をつくる。大学では管理するよりも自ら考え行動することが大切」と語る。青学大時代に当時の監督だった河原井正雄氏から学んだことが原点になっている。

 ○…20年には大学の野球部員を連れてソフトバンクの宮崎春季キャンプを訪問。「本物に触れてほしい」という思いからだった。42歳で現役を続けている和田に関して「心技体の続く限り頑張ってほしい」とリーグ最年長左腕の活躍を願っていた。

 ◇鈴木 伸彦(すずき・のぶひこ)1974年(昭49)6月21日生まれ、福島県出身の49歳。学法石川では副主将。青学大では野球部主務(マネジャー)。井口資仁氏、ソフトバンクの指導者では倉野信次氏、清水将海氏らとチームメート。日米大学野球で全日本のマネジャーも務める。97年にダイエーに入社。14年限りで退社し、15年から福岡工大。

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