イチローさん 思い出の宮古島で“恩返し” 離島から甲子園へ宮古野球部を指導「結構縁起はいい」

2023年12月18日 05:15

野球

イチローさん 思い出の宮古島で“恩返し” 離島から甲子園へ宮古野球部を指導「結構縁起はいい」
 打撃を披露するイチローさん(代表撮影) Photo By 代表撮影
 マリナーズ会長付特別補佐兼インストラクターのイチローさん(50)が17日まで2日間、沖縄・宮古の野球部を臨時指導した。野球部訪問は今年11月の北海道・旭川東に続いて通算8校目。オリックス時代のキャンプ地であり、なじみ深い思い出の地から届いたたくさんの声に応えた。春夏通じて初の甲子園出場へあと一歩の部員たちへ、離島から甲子園の悲願を後押しすべく向き合った。
 スタルヒンの母校・旭川東から一転、これまでで最南端の宮古島にイチローさんは飛んだ。宮古は今年の春季沖縄県大会は準優勝で、今夏の沖縄大会は準決勝敗退。あと一歩届かない「悲願」をかなえたい、という思いが部員や学校関係者だけでなく、島民からも届いた。「島全体の思いに応え、未来の礎となるきっかけを残せたら」と訪問を決めた。

 伊良部球場などで2日にわたった指導では、部員のレベルの高さに驚かされた。「甲子園を狙っているのが理解できる」と随所で質の高さを感じた。だからこそプレーの実践的な指導だけでなく、心構えにも話は及んだ。

 「みんなうまいから、自信持ってください。自信持てるだけの練習をしてください」

 打撃や走塁では特に下半身の重要性を説いた。「正しい形でやらないと身にならない。努力したら報われる、と思っている人は見返りを求めている。その姿勢がダメ」。初日はフリー打撃の投手を務め、448球を投げ込んだ。2日目は屋外フリー打撃を実演し、締めの推定130メートル弾含め88スイングで23本の柵越え。「練習しないとうまくならないけど、練習したからうまくなるわけではない。頑張っている感触から抜けないと、超えられない」と一緒に汗を流しながら語気を強めた。

 部員は2年3人と1年14人の計17人。紅白戦が行えず、島内に高校は3校あるが、本島の強豪私学に比べて実戦経験という点でハンデは背負う。06年はオリックスの宮古島キャンプで調整して第1回WBCに臨み、世界一に輝いた。「それ以来なんだけど、結構縁起はいいと思うので」。思い出の地への恩返し、島全体の悲願成就をともに強く願った。

 ▽宮古 1928年(昭3)創立の公立校。沖縄県立第二中宮古分校を前身とし、翌29年に宮古中として独立。48年の学制改革で現校名となった。校訓は「知性の啓培・徳性の涵養(かんよう)・体力の錬磨」。野球部は今春の沖縄県大会で準優勝を経験。所在地は沖縄県宮古島市平良西里718の1。松原芳和校長。

 ▼川満悠雅主将(2年)人生で初めてあんなに打球を飛ばす人を見た。練習試合の機会も少なく、自分たちの力がどの位置なのか分からなかったが、自信が持てたし責任感も生まれた。

 ▼平良栄二監督 課題は精神面。離島だからか、内気な子が多い。自信を持てず大事なところで自滅してしまう。甲子園に行かなきゃ、本当に目指していいんだという気持ちが芽生えたと思う。

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