阪神・中野がハワイで誓った…近本との“ダブル30盗塁”!! 達成すれば70年ぶり2度目の快挙

2023年12月18日 05:15

野球

阪神・中野がハワイで誓った…近本との“ダブル30盗塁”!! 達成すれば70年ぶり2度目の快挙
ハワイを満喫する中野(撮影・大森 寛明) Photo By スポニチ
 阪神・中野拓夢内野手(27)が16日(日本時間17日)、優勝旅行先の米ハワイ州ホノルルで、近本光司外野手(29)との「W30盗塁」達成を誓った。今季の盗塁王に輝いた近本が28個で、中野は20個で2位。ともに上積みを図り来季、球団に「30盗塁」が複数誕生すれば、1954年以来70年ぶり2度目の快挙となる。虎が誇る「チカナカ」の快足コンビが、歴史に名を刻む。
 青く澄み渡ったハワイの空の下、中野は早くも来季への大目標を掲げた。盗塁王を獲得した21年のルーキーイヤー以来、自身3年ぶりの「30盗塁」を、リードオフマンの近本とともに成し遂げる。不動の1、2番で「W30盗塁」。仮に到達すれば、吉田義男(51個)、田宮謙次郎(30個)、渡辺博之(30個)の3人がそろい踏みした1954年以来の快挙となる。

 「それ(W30盗塁)が一番ベスト。盗塁にこだわりを持ちすぎても、他にやるべきことはたくさんあるが、近本さんと2人で、相乗効果で盗塁の数を増やせていけたらいい」

 中野が盗塁王へとひた走っていた21年後半、近本からは「30盗塁いかないと盗塁王じゃない」と尻を叩かれた。結果、大台での勲章。逆に昨季と今季は近本に同じ言葉でハッパをかけ、連続盗塁王をサポートした。「今年(近本は)28個だったので、納得いかないですけど(笑い)。でも同じチームの選手が獲ったのはうれしい」。打席では待球や空振りなどで先輩の盗塁をアシスト。地道な貢献が報われ、得る刺激も多かった。

 30盗塁に乗せるには課題もある。岡田監督が就任した今季、盗塁は全てベンチのサインによるもの。特にシーズン序盤は、サインが出た次の球でスタートを切る「ジスボール」での盗塁を余儀なくされた。一般的に「ジスボール」は、より勇気が必要とされ、快足選手でも対応が難しいとされる。後半は、スタートのタイミングを個々に委ねられる「グリーンライト」が増加。スタートこそ切りやすくなったが、中野は「ジスボールが出た時にどう走るか(が課題)」と語り「(ジスボールの)サインが出た時に、最高のスタートが切れるようにやる」と意気込んだ。

 来年2月の沖縄宜野座キャンプでは、昨年に引き続き、赤星憲広氏(本紙評論家)が臨時コーチを務める。貪欲な27歳は「スタートをうまく切るための気の持ち方を聞きたい」と意欲的。「盗塁が雰囲気を変えるというのは凄く感じること。自分もできたらいい」。勝利に直結するスチールを一つでも増やし、今季以上に「チカナカ」コンビで敵をかく乱する。 (八木 勇磨)

 ○…セ・リーグで30盗塁が複数いたチームは過去16度あり、阪神では1954年(3人)のみ。セ全体で見ても2008年のヤクルトを最後に15シーズンなく、達成は困難となっている。複数選手が盗塁を量産したことで知られるのが大洋の「スーパーカートリオ」。85年に就任した近藤貞雄監督は、1番・高木豊、2番・加藤博一、3番・屋鋪要をほぼ固定して起用。同年はプロ野球で唯一、同一球団の3人以上が40盗塁を記録した。

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