【巨人・阿部新監督＆中畑氏　新春対談(1)】打つよりも守り中心の野球「伸びしろしかないなと」

2024年01月01日 05:00

野球

　【巨人・阿部新監督＆中畑氏　新春対談(1)】巨人・阿部慎之助新監督（44）と本紙評論家で巨人OB会長を務める中畑清氏（69）の新春対談が実現した。球団史上初の捕手出身監督は守り勝つ野球を掲げ、さまざまな選手の起用法など構想の一端を披露。中畑氏は、今季も主将を務める岡本和真内野手（27）の「変身」に期待を寄せた。（取材構成・川島　毅洋）

　中畑　あけましておめでとう。監督として迎える1年。どういう心境かな？

　阿部　まだ正直、実感はないですね。何でかなとは思うんですけど。

　中畑　昨年の秋のキャンプも見させてもらったけど、自分なりにメリハリを意識していてうまくいっているな、いい感じだなと、手応えがあるのかなと思ったよ。

　阿部　秋はなるべく静観して、いろいろな角度からいろいろな選手のことを見てみようと思っていた。それはできましたね。

　中畑　監督になったということで選手との距離感は考えた？

　阿部　そうですね。近すぎず、遠すぎず。一日一回くらいは会話したいなと思っていました。

　中畑　秋広を鍛えていたね。柱にしていくために、自分なりに飛び込んで心を開いて。歳の差もあるじゃない。

　阿部　2軍監督をさせていただいて、新世代の皆さまを1年半、見させていただいたので、凄くためになりましたね。

　中畑　阿部監督の中でジャイアンツの監督とはどういうものなの？

　阿部　うーん。そうですね…。凄く重い仕事なのかなと。やった人しか分からない重圧だったり、そういうのをこれから感じていくんだろうなと思いますね。

　中畑　それ、感じたかったんだよな俺（笑い）。今だから言うけどさ（笑い）。自分の野球はどういう野球なの？

　阿部　やっぱり打つよりも守り中心になると思いますね。守備、投手力ですね。昨年の投手陣は散々な数字が出てしまったので、伸びしろしかないなと思っています。

　中畑　名前を挙げると？

　阿部　一年間、大勢が抑えでやっているのが一番のポイントかなと思います。

　中畑　先発で決まっているやつ。あれ、何だっけ、決まっているやつ？

　阿部　ローテーションのことですか？

　中畑　そうそう、それ。70歳になると言葉が出てこなくなるんだよ（笑い）。中6日なら6人で回すとか。先発は6人なのか5人なのか。6人だと楽なローテーションを組めるとは思うけど。

　阿部　基本は6人でいきたいなとは思いますね。

　中畑　100球肩とか言うじゃない。ああいうのはあまり好きじゃないんだけど。

　阿部　そうですね。120球くらいまでは平気でいってほしいなとは思いますね。

　中畑　そうだよな。中6日あるんだから。去年、DeNAのバウアーなんてさ、中4日で完封しちゃって、また行くんだよ。今は外国人でローテ決まっている投手は100球を目安にしているけど、そういう野球じゃない野球を見せてほしいな。先発ローテーションで中6日なら、絶対に俺は完投するんだとそういう野球を目指してほしいね。

　阿部　それはもちろんあります。

　中畑　7、8、9回。中継ぎは？

　阿部　中川だったり適性見て、西舘もその中に入ってきてくれたらうれしいですね。

　中畑　西舘はショートイニングが向いている？

　阿部　大学1、2年生のときは中継ぎ、抑えをやっていたので、経験はあると思うので。

　中畑　それは良いこと聞いちゃったなあ。お正月にね。ちょっと得しちゃったね。

　阿部　投手は、よく2軍からポンと先発させるじゃないですか。それはさせないというのは僕は言ったので。

　中畑　それはどういう意図なの？

　阿部　2軍で無双していても1軍で勝てるわけがないので。それで初めて1軍の敗戦処理だよと。ちゃんと順序をつくるというか。1軍で負けパターンの投手がいるじゃないですか。その人たちの士気が落ちると思うんですよ。急に2軍からきたやつが先発して。というのを僕が感じていたので。昔は競争というか。中継ぎで何試合か抑えて（先発の）誰かがこけたときに、そこをつかみに行くという風になってほしいなと、明確にしました。それで行くという話はしました。

　中畑　それは分かりやすい。戸惑いというか、嫌な空気が流れないな。

　阿部　とにかく競争してもらいたいので。